おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

カーリング。

2006-02-22 00:25:27 | 我思う、故に書くなりよ。
「おやつタイム」アリだから…。

大健闘と面白さを教えてくれた功績は「特大」であると思う。まぁ他にも「スノボ追い抜き」とか「スケート追い抜きぐるぐる」と言った新しい競技も面白かったので、このオリンピックはメダルうんぬん…を差し置いて、

「いいものを見させてもらった…。」

感じはかなり強い。これらを称えずにおれようものか。
だが、どれも「4年後に思い出されるスポーツ」でしかないんだと思われる。

メジャーなスポーツだと、そうした心配は要らないんだけれど、得てして冬のスポーツのお財布事情はひどく「寒い」と言われている。まぁ、競技に当たって「道具」の不要な種目が全く無い…ってのは判ると思うが、結構なお金が競技を続けるのに必要であったりする。メジャーであれば、スポンサーやらなんやら、資金援助も比較的スムーズに行われるのだが、マイナーだとなかなかそうも行かず、選手個人の出血大サービスな自腹だの、寄付金集めで遠征費を稼がねば練習すらもままならないと言うのである。

また、かつてメジャーであっても、景気に左右されるとスポンサーからの援助が無くなったり、縮小されることで、競技、知名度共にメジャーでありながら、内容がマイナーになってしまったりと言うこともある。

これが恐ろしいのは、単に試合に出られない…だけでなく、「2度と出られない…」なんてコトが危惧されるのだ。簡単に言うと、

「次世代が全く育たない…」
「次世代がいない…」

と言うコトである。冬のスポーツでは無いが、体操がそうだった。かつては「体操王国」とさえ呼ばれ、メダルを欲しいままにしていた日本の体操界がこんな状況になってしまったのである。それでも、個人的に秀でた素質を大事に育てて、かろうじて繋いで来た「かつての栄光」だったのだが、本格的にヤバイ状況になった時に、もの凄いコトを始めたのである。

「1から育てなおす…」

いろんな事情で育て、繋げるコトが出来なくなった選手を、代が途切れない様に競技にも満足に参加出来そうも無い年齢層から育て直すことに決めたのである。書くといかにも簡単そうだが、とんでもなく時間が掛かるコトは判って貰えると思う。単に人数集めれば済む問題じゃない。体操という競技の面白さ、楽しさから教え、育て、競技人口を増やしながら、その中から秀でた素質をより伸ばす…。時間もお金も忍耐もエラく掛かる事を根本的にやり直さなければ「王国の復活」は無いと、本気で考えたんだろう。

結果、アテネでの体操陣の大活躍を叶えるコトが出来たし、我々もそれを見て感動したのである。

それと同じ様なコトを始めなければマジでヤバそうなスポーツを我々はトリノで見た。他国と比較しても高い平均年齢。年齢に左右されない種目ならばそれでも良いが、パワーが必須なら若い力も当然のごとく、そこに「必須」。それが見えない。

頑張っている人を応援する仕組みが、他国と比べて日本は劣っていると言われている。単にお金を出せば良いと言う問題ではない。お金の出し方も次世代に繋がるように出さなければいけないのに、旧態依然とした仕組みの中でしか出せないままなのである。もちろん、全てのスポーツに潤沢に資金が行き渡るのは難しいし、それはそれでまた問題を生むだろうし、抱えるのだけれど、何か考えてあげなければ、彼らアスリートを表彰台の上に押し上げるコトはどんどん難しくなってしまうんじゃないだろうか?

カーリングを例えるなら、専用競技場は国内には9ヶ所しかない。単に氷が張ってあれば良い訳でもないので、なかなか難しいところだけれど、幅広い年齢層で、オリンピックの舞台に立てる可能性が大きいコトはトリノで判ったと思う。誰もがちょっと覚えれば楽しめるスポーツであるならば、専用競技場がもっと増えても良いのではないかと思う。また「チーム青森」と呼ばれた彼女たちが本来なら「チーム北海道」であっただろうし「チーム北海道常呂町」だった話を聞くと、「日本」って枠で考えたらとても情けないコトだと思う。

どんなスポーツでも多くの人が楽しめる中から、世界を舞台に戦える逸材が生まれて来るような環境が整って、それが続く様になればいいのだけれど、そうした長い目で見る感じが日本から消えかかっているのかもしれない。長い目で支えて行きながら、多くの人に知ってもらい、また、楽しんでもらう努力を関係者は惜しんではならないものではないか。

公式に「おやつアリ…」なスポーツで、日本人を表彰台に押し上げるか否かは裾野の広がりと、それを楽しむ場の拡充にかかっている。また、おやつ会社の協賛も欠かせないところだし、バナナはおやつに含まれないのが残念だが、この際だから協賛しても悪くなかろう。ゆくゆくはおやつタイムも採点に含まれると面白い。

「解説の三郎太さん、スイスチームのチーズホンデュはおやつなのでしょうか?」
「ええ。認められていますが、選手の1人がバナナをチョコフォンデュにしていますねぇ…これはイケマセン。先ほどバナナの支給がありましたので、支給以上の摂取は失格となってしまいます…」

その頃、日本チームは行儀よく一列に正座し、コーチの淹れるお茶を待ちながら、和菓子を堪能しつつ戦術と反省を談笑しているんである。やがて、コーチが「ぬぅ…」と茶を差し出すと、それをしずしずと受け取り、お茶をすする…。

「結構なお手前で…」

ともかく…、4年後に思い出すのではなく、4年後に楽しんでいられるようになってなきゃダメなんである…。



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