アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ロシアには子どもの物売りがいない

2012年11月03日 | Weblog
 ロシアへ行って安心したことが2点あります。
 その1:子どもの物売り、物乞いがいない。事前の調査では、ストリートチルドレンが100万人いるということでしたから、そこら中にウロウロしているのかと思っていたのですが、ついぞ見かけませんでした。校外学習で、教員を先頭に並んで歩いている子ども達は何度も見かけました。先生一人が、20数名の子ども達を引率している…これって凄いかも知れません。
 その2:街がきれい(ゴミが散乱していない)。決して、民度は高いとは思わないのですが、ゴミのポイ捨てがない。タバコのポイ捨てはありましたがね。

 観光地での大人の物売りや物乞いは、世界標準並におりました。ただ、あまりしつっこくない。「そんなにあっさり諦めたら、生活していけないだろう」と。心配してしまうほど。旅行が、10月だったからよかったらしい。人権を守る仕事をしていながら、差別的な言い方で申し訳ないのですが…「寒くなったらジプシーが南下する」ということでした。つまり、10月のモスクワにはジプシーはいない。
 「ジプシーは、日本人が大好き」という話も聞きました。無防備かつお金を持っている…。
 今年の8月にサンクト・ペテルブルクであった事件は、物売りが暑さにキレたためらしい。「血の上の教会」という、聖ワシリー大聖堂に似た教会があるのですが、観光バスから日本人の団体が降りてくるやいなや、数十人の物売り集団が突進してきたという。これは恐怖です。彼らの体格は大相撲の力士並みです。それが集団で突進!日本人達は蹴散らされながらも頭を守り耐えた。彼らが去ったあとは、バッグをひったくられたり、切り裂かれたりの被害が。「サイフがない」なんてのは当たり前。
 その話を聞いたあと、私も血の上の教会へ行きました。一人二人なら、背負い投げと急所蹴りでなんとかなりますが、数十人の集団は…。拍子抜けでした。血の上の教会には、物売りが2人だけでした。しかも、弱そうでした。

 ジプシーの場合、子ども達も怖いのだそう。「ジプシーの子供たちに追いかけられ、頭をいやというほど叩かれたり、髪をつかまれ引きずられたりした上、サイフを盗まれた。人通りはあったが、誰も助けてはくれなかった」…このような話はザラです。被害者の多くは少人数で歩いていた女性。
 子ども達が集団で大人を襲撃する。「平家の禿(遊郭に住み込む童女ではなく、平家が平安京内に放ち、平氏に対する批判や、謀議の情報などを集めさせた童子。殺しもやったようです)」を思い出しましたよ。赤い服を着ているあたりも平家の禿と共通するものがあります。

 スキンヘッドは多かったです。しかし、どうやらネオナチではなかったようで、暴行されることもありませんでした。幸運だったと言えましょうか。
 ロシア名物ともいわれている、「悪徳警官」にも遭遇しませんでした。

 と、いうわけで、「治安はどうか?」と、問われると、「何の問題もなかった」と、答えるしかありませんね。夏場なら、危ないことも起こったのでしょうけど。