アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

畳語(じょうご)は、柔道用語じゃないです

2024年08月12日 | Weblog
 近年、「丁寧すぎる日本語」が増えてきておりまして…

「冷たい冷気が逃げるから、はやく戸を締めて!」 冷気って、冷たいものでしょ!

「机の上の机上を整理しなさい」これ、定番。

「馬から落馬しました」これも古くからありますねえ。

「以上をもちまして、○○を終わります」。「もちまして」を漢字にすると、「以ちまして」となる。
「以上を以ちまして、○○を終わります」御丁寧に「以」を重ねた。

「現代口語を言語学が否定する資格はない」という話になれば、「以上を以ちまして」も、「机の机上」も、「馬から落馬」も、皆許される。
「旅行に行く」も「目的的」も、習慣的に使われているし…よくいう日本語の乱れとはちがうモノ…だからガタガタ言わなくてもいいかな。

 「ガタガタ」は、ガタを重ねているから丁寧すぎるんじゃないかって?ガタガタは、オノマトピアだから丁寧に重ねたものとは違います。「畳語(じょうご)」で、主に世俗的な表現。擬態語、擬声語に多いです。柔道の畳とは、何の関係もないです。

 クタクタ、ポカポカ、カラカラ、ブーブー、モーモー…これら、重ねなければ何が何だか分からない。
 「遠足へ行ってきて、クタだ」…意味が解らない。
 「天気が良くてポカだ」…天気が失敗でもしたのか?

 幼児語も、畳語にちまちゅねえ。「(靴を)履き履きちまちょう」「寝ん寝ちまちょう」「噛み噛みちてね」…変だって?実際使うでしょう!?

 「我々は…」これは、「我」と「我」を重ねました。通常「我々」と表記します。「々」は、重ね字とか踊り字とか呼ばれています。
 名詞の複数形の表現に畳語がよく使われます。「人々」「国々」「村々」「神々」「日々」「山々」…。「時々」「寒々」は、 副詞的表現ですかね。「外は寒々、懐も寒々…」。

 中国語は、畳語が多いです。パンダの名前は、全てではないかも知れませんが、畳語。「ランラン」「カンカン」「ペケペケ」…「ペケペケというパンダがいるのか?」って?た、たぶんいると思います。四川省の山中にね。人知れず暮らして居るのでしょう。人知れずだったら、一体誰が、ペケぺケと名付けたんだ?まあ、深いことは考えずに。

 犬の鳴き声は、外国でも殆ど畳語です。
 日本語…wan-wan、英語…bow-wow、ドイツ語…wau-wau、イタリア語…bau-bau、ノルウェー語…voff-voff、ロシア語…gaf-gaf、中国語…wang-wang
 どれも、確かに犬の鳴き声ですね。地球人の耳は人種国籍の如何を問わず同じように聞こえるということでしょう。

 丁寧すぎる日本語から、「ガタガタと畳語へ陥ってしまい」ましたぁ。ウマイなあ!
 私が書くと、畳語(じょうご)は冗語(じょうご)になってしまいますかね。常語(じょうご)のつもりなのですが。これまたウマイなあ。「じょうご」の三段重ね。