アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

逆サバ

2012年05月14日 | Weblog
 屋久島へ行ったことがある人なら、「首折れサバ(くびおれさば)」を御存知のはず。屋久島では、サバのことを、「首折れサバ」と呼びます。首が折れたまま泳いでいるサバかって?あ、あのね、首が折れたまま泳ぐサバがどこにいますかっ!
漁獲後、血抜き(鮮度を保つため)するために、すぐに首を折ることから、この通称名が付けられました。確かに、「旨い!」と思いました。

 首折れサバの印象が強いものですから、「逆サバ」と言う言葉を聞いたとき、「逆立ちして泳ぐサバかな?」と思いましたよ。
 長いこと生きてきましたが、「逆サバ」は、初めて耳にした言葉でしたぁ。意味は、「過少申告…」。「サバを読む」は、過大申告。その逆に、過小に申告するから、「逆にサバを読む→逆サバ」。
 例えば、身長195cmの女性が、大きすぎるのが嫌で、少しでも低く申告したくて、「179cmで~す」と、言う。これが、「逆サバ」。こういう言葉が出来上がり、うまく行くと広辞苑にも載る…日本語のおもしろさです。

 よく考えると、私も、逆サバで成功した経験を持っています。
 高校時代の高体連柔道大会。対戦相手の近くへ行き、怯えた様子を印象づけるのです。「強いんだぞー」と、印象づけるのは、「サバを読む」でしょう。「弱いんだぞー」は、明らかに逆サバ。おまけに私は、ひ弱に見えました。相手が、「これはいけるぞ!1勝いただき」と、思えば大成功。いきなり大技を仕掛けてきます。そこを、後の先(ごのせん)で、(必殺「移り腰」で)畳へ叩きつける!非常に気分がいいです。この作戦でかなり勝たせていただきました。
 (注:後の先は、いわゆるカウンター攻撃。相手の攻撃が始まる直前にそれを読み、攻撃を仕掛ける。攻撃の直前には、「スキ」ができるのです)
 社会人になってからの試合でも、何度か、大ものを食いましたよ。誰も知らないからサバを読んでいるんじゃないかって?いえいえ、本当の話。
 常に自分を小さく見せる。人生において、このことが大切なのです。

そういうことを知らないのが、北朝鮮。サバを読みつづけております。北朝鮮には、「逆サバ」は、教えない方が良い。教えてしまうと悪用します。
 「核なんてとんでもないです」としながら、ドカーンと実験してしまいます。
 「打ち上げ花火ですーぅ」と言いながら、人工衛星と称するミサイルを発射してしまいます。

 大相撲の新弟子検査…つい最近まで、頭にシリコンを入れて身長を高くしたとか、水をガブガブ飲んで体重を増やしたとか…サバ読みコンクールの印象が強かったのですが、今はその必要が無くなりました。
 「義務教育を修了している中学卒業以上の男子とし、身長167cm以上、体重67kg以上とする」
 これなら、私でも合格する。横綱を目指します。えっ?年齢制限があるだろうって?
「23歳未満の男子」と、書かれています。逆サバで、「22歳でーす」と申告してみます…!42歳ほど若く(実際は64歳)…逆サバの使い方が違うかなあ?だけど、相撲の決まり手に、「サバ折り」ってのがありますが…。