アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

人間に翻弄された可哀想な生き物の第一位は!

2012年05月10日 | Weblog
夕方のゴルフ場…キツネがうろうろしていました。しばらくして、そのキツネが、コースを堂々と歩いてきました。プレー中の私どもから、5mの所を王者の行進…。なんと、口には捕まえたばかりのネズミが咥えられておりました。
 このキツネには、我が家周辺に住んでいただきたかった。なぜかって?ドブネズミと私の熾烈な戦いがまだ続いているものですから。我が家周辺のドブネズミどもは、字が読めるらしいのです。殺鼠剤に、「食べられません」と書いてあるものですから、食べないのです。

 およそ100年前の沖縄は、サトウキビはネズミにやられるし、住民はハブにやられる…大変困っておりました。イタチを放ったこともあったそうです。ところがイタチは、ネズミを退治する前に、ハブによって全滅させられてしまった。「イタチの匂い袋」も、ハブには通用しなかったらしい。

 毒餌を撒く案も出たそうですが…住民が間違って口にしないために、「食べられません」と書こうものなら、野ねずみは食べません。なぜなら、字が読めるから(←ここ、笑う場面ですから)。
 本当のところ毒餌案は、「ヤンバルクイナが誤食したら、ぜんめつしてしまうべ!」ってことで、採用されなかった。ヤンバルクイナは字が読めませんから。

 そんな中、諸外国では毒蛇やネズミの駆除のためにマングースを利用している情報を得た。実際にハブと戦わせたところ、マングースが勝った。「マングースなら、ハブもネズミもやっつけてくれるかも」沖縄住民は期待し、「20匹弱を放獣」した。

 と、ところが、マングースはハブとは戦わない…。マングースは昼行性、ハブは夜行性…接点がないから、戦う場面がない。
 えっ?「そんなことはないだろう!沖縄へ行ったときに、ハブとマングースの戦いの見せ物を見たぞ!」だって?それは、人間がわざとに戦わせているもの。自然界では、よほどの偶然がない限り戦わないということ。
 なお、現在、「マングースVSハブ」を、どちらかが死ぬまで戦わせることはしていない。動物愛護の法律改正により、動物同士の血を流す戦いが禁止されましたので。

 さて、ハブを捕らないマングースは、一転、「害獣」となってしまいました。マングースには、なんの落ち度もない。人間様の都合により、ガンジス川河口付近から沖縄へ鳴り物入りで連れてこられた。救世主扱いだったのに、害獣に格下げに。マングースにとっては、「いい加減にせぇい!」ってとこでしょう。
 なぜ害獣にされてしまったかって?狂犬病を媒介したり、家禽を食害するから。なによりも、天然記念物のヤンバルクイナを食べてしまう…!
 環境省と沖縄県は駆除に乗り出しまして、2008年からの3年間で、1,150匹以上を捕殺した。100年前に20匹弱を放ったのが、この増えよう!ハブを食べなくても、食べ物がたくさんあるということ…。

 「マングースVSハブ」の決闘ショーは見られなくなりましたが、「ハブのショー」は、あちこちで見られます。ハブに触る体験もできます(私は触りたくないけどね)。「マングースのショー」は、ないのかって?毒蛇と戦わないマングースにショーの価値はないですね。
 人間に翻弄された可哀想な生き物のランキングトップが、マングースってとこでしょう。