オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

ホンキの作曲術(応用編)~(2)アクセントを付ける

2014-10-09 | 作曲術

皆さん昨夜の皆既月食はご覧になれましたか?
昨夜は開店8周年を迎えられたイタリアンのお店 Mr.トーマスさんでFOUR&FOURのミーティングを兼ねた食事会でしたが、お店の玄関に立って満月がどんどん欠けて神秘的な赤い月が現れるのを不思議な気持ちで眺めた夜でした。
iPhoneでは写真は上手く撮影できませんでしたが、Facebookでシェアされていた美しい月の写真を拝借。


「葡萄色の満月」

なんか歌の歌詞が浮かびそうですね。


さて『ホンキの作曲術』(応用編)、今日はその(2)アクセントを付ける です。
曲はほとんど出来上がったけど、なんだかパッとしない。
曲には流れとは別に「アクセント」が必要です。
この場合のアクセントはいわゆる音の強弱とは違う意味で「アピールポイント」みたいなものです。


まずポイントにしたいところだけコードを変えてみましょう。
コードには代理コードと呼ばれるものがあります。
たとえば、Iの代わりにIII、VIのコード。
ちょっと変えてみることで雰囲気が変わります。
そうすると1つのメロディの中に新しい景色が出てきます。


そしてメジャー7th、9th、11th、13th、フラット5、ディミニッシュ、ハーフディミニッシュ など・・不協和音を上手に取り入れてみましょう。
ここは好みが分かれるところなので、こういうのが好きな人に限ります。
C、F、Gなどのストレートなコードに対して、不協和音を入れると少しだけ曲に「曖昧さ」が加わります。
ジャズなどに代表されるように、次のコードに行く前にこういう不協和音を上手に入れると「オシャレ」に感じられる曲になります。


ただしどんなにオシャレなコード進行だといってもあまりそれを使いすぎないことは大切です。
インパクトが強いものはさすがに何回も出てくると「またかよ?」的なうんざり感を与えてしまいます。
「あれ?今何のコードだった?」ってハッとさせるくらいでちょうどいいんです。
どんなに素敵なアクセサリーでも付け過ぎると品が無いですからね。


ベースラインを変えてみる。
ベース音というのは基本的に曲の土台です。同じコードでも、ベースの音を何にするのかで曲の印象は大きく違います。
いつでもルート音を取るのではなく、III度、V度の音にしてみたりオクターブ上げたり下げたり工夫してみましょう。ちょっとベース音を変えるだけで曲の雰囲気をガラリと変えることができます。


メロディラインや歌詞を変える。
曲も歌詞もコードも付けた後でも、歌ってみて歌詞が聴き取りにくい時には思い切ってメロディラインを変えるということもやってみましょう。メロがコードの主要な音と変なぶつかり方をしているとか、言葉そのもののイントネーションとメロの形があまりにも合ってない時には、思い切ってそこを変更する工夫も大事です。


リズムや拍子を変える。
これは比較的良く使われる方法です。
私もよく使います(←ある意味ドラム泣かせ)。
曲の途中やエンディングで拍子を変えたり、4分の4拍子の曲に4分の2拍子を持って来たり、変拍子といわれる4分の5拍子や8分の7拍子などを使うとか。
一定のリズムで聴いている人をちょっとハッとさせる小ワザです。


例えばこれ。スピッツの『ハチミツ』。



コード進行は普通なんですが、Aメロ3小節おきに4分の2拍子が入ってますね。
4分の10拍子と言う説もありますが(笑)。
Aメロでちょっとカオスな緊張感を出して、Bメロ(サビ)で4分の4拍子になった時に聴く人がホッと安心するという曲の展開です。


時間芸術である音楽は、聴き終わった後にどれだけ「余韻」を残せるかが大事です。
「アクセント」をきっかけにまた「思い出して」もらえるような曲作りにすることは大事ですね。
それが「また聴きたい曲」になって、その曲のリピーターやファンを増やしてくれるのです。