人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

大義のフィリバスター 「スミス都に行く」

2007年03月08日 | 国会
 3月3日土曜日の未明、平成19年度予算は衆議院本会議で可決されました。深夜から未明にわたる本会議で、延会手続きをはさんで、枝野議員は、最終的には動議で時間制限を受けたものの、約1時間半、予算委員長解任決議案の趣旨弁明の演説を行いました。手元の原稿にはほとんど目を落とすことなく、長時間よどみなく演説する枝野議員には本当に感服します。しかし、正直に言うと、そこで得られた結果について考えるとき、少し残念でなりません。

 米国議会では、このような長演説による議事妨害をフィリバスター(filibuster)と言います。米国議会で実際に行われたフィリバスターの最長記録は故サーモンド上院議員が1957年に行った24時間18分という記録があります。

 「スミス都に行く」MR.SMITH GOES TO WASHINGTON
1939年 フランク・キャプラ監督 ジェームズ・スチュアート主演

 では、地方の少年団のリーダから指名された青年上院議員がダム建設法案の不正を暴くために、フラフラになりながら24時間近いフィリバスターを行い、最後には、良心の呵責に耐えられなくなった同郷の先輩議員が悪事を白状し懺悔し、映画は幕を閉じます。

 田舎者で法律の知識も何もないが、正義や自由を信じる青年議員の純粋な姿に、政治の世界に嫌気がさしていた女性議員スタッフが心動かされ、次第に協力していく姿は、永田町の住民としては感じるものがあります。

 加えて、この映画、ワシントンの大使館で上院を担当していた経験からも、改めて見直してみると米国議会についての勉強になります。

 例えば、主人公は、上院議員の死亡によって、州知事によって後任の上院議員に任命され、ワシントンに赴くことで物語が始まります。多くの州では、上院議員が書けた場合には知事が後任議員を任命します。

 開会のシーン。牧師が祈りを捧げます。上院には、Chaplaintoと呼ばれる専属の牧師がいます。

 quorum call 定足数を確認するための点呼のことです。映画のストーリーの中で重要な役割を果たします。

 さらには、映画の随所でかわいらしい姿を見せるのが、ペイジ(page)と呼ばれる少年たち。議会開会中に、議場を走り回り、議員にメモや資料を届けたりする少年たちで、なんとアメリカの議会の中にはペイジの寄宿舎や学校があります。

「スミス都に行く」
 永田町住民なら必見の名作です。今なら、DVDが500円でも手に入ります。

 主人公は「大義のために、自分は負けない、闘う!」と言います。
そうなんです。「大義」が大切です。「大義」なき抵抗は、駄々をこねているだけに映り決して共感を得ることができませんが、そこに「大義」があれば、映画のように大きな結果を得ることができるはずです。
 議員や秘書向けに上映会を開いてはどうかと思うくらいです。




 


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