人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

尖閣諸島問題に関して一期生有志が意見書を提出

2010年09月30日 | 政治
「あなたたち、若い議員がモノを言わなくてどうする!」
私たち一期生には、こうした叱咤激励をよくいただきます。
尖閣諸島をめぐる問題については、本日、衆議院予算委員会での集中審議が行なわれ、また、私も長島昭久前防衛政務官ら民主党有志議員で、菅総理宛に建白書を提出したところでありますが、以下の一期生有志で以下の意見書を本日夕、寺田総理補佐官に提出しました。

平成22年9月30日

内閣総理大臣 菅直人殿

民主党一期生衆議院議員
有志一同

日本固有の領土である尖閣諸島沖で発生した中国漁船衝突事件において、民主党衆議院一期生議員有志の意見を次の通り取りまとめました。我々有志は引き続き菅内閣の政権運営を全力で支援し、あらゆる協力を惜しみません。一方で、我々は国民世論に最も近い最前線で国民の声に真摯に耳を傾け、それを政権に届ける使命を負っています。国民世論の強い後押しを受けて誕生した菅改造内閣において、国民の代弁者たる我々一期生有志議員の声を真摯にご勘案賜りますようお願い申し上げます。

民主党一期生衆議院議員 有志(五十音順)
阿知波 吉信
網屋 信介
井戸 正枝
大泉 博子
大西 健介
岡田 康裕
金森 正
川村 秀三郎
桑原 功
小室 寿明
斉木 武志
阪口 直人
柴橋 正直
高橋 昭一
高邑 勉
玉木 雄一郎
永江 孝子
橋本 博明
花咲 宏基
平山 泰朗
藤田 憲彦
宮崎 岳志
森岡 洋一郎
矢 公二
谷田川 元
山崎 誠
横粂 勝仁

意見書

1. 領土を守る国家としての強固な意志を示すこと
国家の三要素は領域、主権、国民であり、それを守ることが政治の最大使命であることからすれば、日本固有の領土である尖閣諸島を警備・防衛両方の観点から強固な意志をもって現実に守ることを求めます。同様に現在民間邦人が拘束されており、その即時釈放と早急な解決に全力を尽くすことを強く求めます。

2. 日中関係の新たなシナリオ作りを急ぐこと
船長釈放以降も謝罪や賠償要求など強硬な姿勢を貫き、レアアース禁輸や貨物検査強化などの制裁措置を強行する中国に対して国民の多くは不信感を抱いています。日中関係は重要であり、文化、学術等の分野の人事交流、観光事業については継続し、中国との多面的な人的ネットワーク構築をめざすべきですが、国益を損ねることに繋がることのないよう再点検・再検討することを求めます。また、中国との意思疎通においては、外務省ルートだけに依存せず、党や個々の議員など様々なチャネルを通じた外交ルート構築の推進を求めます。

3. 中国周辺諸国等との戦略的外交を構築すること
日中外交は二国間だけの問題ではなく、周辺諸国にも大きな影響を及ぼします。今回の事案が日本の国力低下や外交の敗北につながることがあってはなりません。アジア欧州会議(ASEM)に菅首相が出席して尖閣諸島に関する日本の立場を表明することが重要であることはもちろんのこと、政府は直ちに周辺諸国との対話を進め、本件に関する日本国の主張が正当であることの理解を求め、国際世論において勝利するべく全力を尽くすことを求めます。また、資源を特定の国に依存することのリスクを鑑み、常日頃より資源外交を戦略的に進めることを求めます。

4. 検察の政治判断を許さないこと
独立性を持つ準司法機関である検察が、「日中関係を考慮して」処分保留のまま被疑者である中国人船長を政治判断のもとで釈放し、さらにその判断を政府が追認したことに国民の多くは疑問を感じています。検察の信頼が強く問われる今日、政府は検察の政治判断を許さず、粛々と法と事実に則った検察行政を行うことを強く求めます。

5. 今後同様の事件が生じた場合の対応策を早急に講じること
釈放された中国人船長が再度漁業行為を行う意思を表明していることからも、今後も同様の事件が生じる可能性は否定できません。海上保安庁、外務省、防衛省、検察庁などの関連省庁に対し早急な危機管理対応策を講じるよう指示するともに、インテリジェンス機能の強化などを含めた総合安全保障政策の見直しの機会として捉えることを求めます。

以 上

日本外交の敗北

2010年09月26日 | 政治
尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突事件で、去る9月24日、公務執行妨害で逮捕・拘留されていた中国人船長が処分保留のまま釈放されました。
これは「国内法に則って粛々と法執行を進める」としてきた政府のそれまでの姿勢と矛盾するものであり、「日本外交の敗北」を意味するものです。日本国の国会議員として痛恨の極みです。
9日27日、長島昭久前防衛大臣政務官ら有志の民主党議員と連名で政府に対して、緊急の申し入れを行いました。
「自らの非を認めない。簡単に謝らない。」というのは、中国の国民性といっても過言ではありません。そのようなしたたかな相手に対して、その場しのぎで日中関係の危機を回避しようとして、不透明な決着をはかることは、かえって将来に禍根を残すと危惧します。
足を踏んでも謝らない人に対して、私は、「足を踏み返せ。」とまでは言いません。しかし、少なくとも足を踏んだことを相手に認めさせ、謝罪はしてもらう、靴に傷がついたなら、それは償ってもらうのが当然だと思います。うやむやのまま済ますべきではありません。相手が認めないのなら、ビデオ等の証拠を公開し、いかに相手の言っていることがおかしいことであるかを周囲に訴えるべきです。
本件について言えば、国際世論に対して、海上保安庁の記録したビデオを公開し、事実を明らかにすべきです。さらに、レアアース等の禁輸といった措置についてはWTOに提訴すべきです。そして、尖閣諸島は日本の領土であるという歴史的事実を正々堂々と世界に向けて発信し、いかに中国の言っていることが理不尽であるかを訴えるべきです。
これでは、海上保安官も命の危険を冒して、領海の警備に当たることはできません。
また、政府は、釈放は政治的意思決定ではなく、検察の独自判断と説明していますが、そんな説明は誰も信じていません。「検察の判断」という説明を繰り返すことは、責任転嫁と受け取られ、むしろマイナスだと思います。
ただし、野党、特に自民党が鬼の首をとったように一連の措置を批判するのも納得がいきません。今回の措置は、私は間違いだと思います。しかし、これまでの日本政府の尖閣諸島をめぐる中国に対する対応が間違っていなかったのかと言えばそうではないと思います。台頭する中国に対抗する長期的な戦略を欠いたまま、これまでの東シナ海における中国の不当な資源開発を見過ごし、我が国の領土に対する理不尽な挑戦への断固たる姿勢を示してきませんでした。その日本外交のツケを一気に払わされたのが今回の事件なのではないでしょうか。
したがって、これを機に、日本政府は尖閣諸島に灯台や警戒監視レーダーを設置するなど、実効支配を確立することを検討するとともに、沖縄本島を中心とした南西方面の防衛体制を強化すべきです。それは、場合によっては血を流しても領土を守る覚悟を国民全体が共有できるのかという問題に関わってきます。また、中国の一方的な資源開発に抗議し、我が国も中間線の日本側での試掘を開始することも検討すべきです。
これは国益に関する問題です。党派間の政争の具にするのではなく、国民の代表の議員として、取り組んでいきたいと思います。与党の一員だからこそ、間違っていることは間違っていると政府にしっかりと言うべきことを言っていきたいと思います。

代表選挙が終わって

2010年09月18日 | 政治
 2週間にわたる民主党代表選挙は、菅首相の代表続投という結果となりました。ただし、議員票では412ポイント対400ポイントという大接戦となりました。
 私は、今回は、菅首相の支持に回りましたが、小沢氏が代表戦に出馬したことを評価したいと思います。小沢氏は、これまでも首相になろうと思えばなれたのに裏で実権を握ってきたと言われてきました。「豪腕伝説」の一方で、表に出て自ら国民に語りかけることはほとんどありませんでした。その小沢氏が菅首相とがっぷり四つに組む勝負は見応えがありました。
 また、代表選挙がなければ、マニフェストに対する考え方、経済・財政運営の方針についての党内議論がここまで深まることはなかったでしょう。さらに、議員定数削減、公務員給与カット、税のムダづかいの一掃についても一歩踏み込んだ発言はなかったかもしれません。
 代表選挙を通して、私が違和感を持ったのは、小沢氏を支持する議員たちの小沢氏への盲目的追従姿勢です。選挙も、ねじれ国会も、円高・デフレも、財源不足も、とにかく「小沢さんがなんとかしてくれる!」と彼らは言います。強力なリーダーシップに頼りたい気持ちは分かりますが、一人ひとりの議員はそれぞれの選挙区で何万にという人々の付託を受けた存在として、自立して行動すべきだと思います。その点では「自分一人ができることは限られている。多種多彩な人材こそが民主党の財産であり、それぞれが持てる能力や経験を発揮できる『400名内閣』を目指す。」という菅さんのメッセージに共感を持ちました。
もう一つ代表選挙を通じて得た大きな財産は、一期生の有志の仲間です。昨年、初当選した140名は、国対委員長の管理下に置かれて、次の選挙に当選することだけを考えていればよいと言われました。事業仕分けの仕分け人からも外され、自立して行動することは許されませんでした。しかし、代表選挙を通して、誰かの命令を受けたとか、選挙で借りがあるからとか、ポスト目当てとかそんなこととは関係なく、反対に、嫌がらせや圧力を受けるリスクを冒して、自主的に行動する同期の有志の輪ができました。そして、「小沢チルドレン」と一括りに見られていた一期生の有志の動向が今回の代表選挙の結果にも大きな影響を与えました。
 俗に言う「トロイカ体制」は、政治家として歩んできた道も考え方もそれぞれ違う鳩山・菅・小沢という3人の政治家が政権交代という一点で手を取り合ってきた体制です。政権交代を果たした今、「トロイカ体制」にけじめをつけて、次のステップに踏み出さなければならない時がきていると思います。自民党も執行部人事を刷新し若返りをはかりました。私は、民主党も世代交代すべきだと考えます。
私たち一期生は、世の中の不条理と闘い、政権交代を実現するために、民主党の旗の下に集いました。私たち一期生には、本来、反小沢も親小沢もありません。死闘の後でも、試合終了のホイッスルがなれば、敵も味方もない、ノーサイド。互いの健闘を讃えて握手をし、挙党一致体制の中心とならなければなりません。 
民主党は、複数の勢力が結集し新しくできた政党であるため、党の綱領がありません。民主党が目指す社会、国家像が確立していないから、政策がぶれるのです。私は、一期生が中心にその綱領づくりの議論を始めるべきだと思います。

民主党代表選挙 ~私、おおにし健介は、こう考えます。~

2010年09月05日 | Weblog
1. なぜ、いま選挙をするのか。
 現下の円高・株安などの厳しい経済情勢の中で、「内輪もめ」は避けるべきだとの意見があります。
この点、まず、菅首相は「国政の空白は絶対につくらない。」として公務を優先する考えを示しています。
 また、当初、鳩山前首相を介して、菅首相と小沢前幹事長の話し合いにより直接対決を回避する動きがありましたが、もし、代表選がなくなっていたら、それこそ「密室談合」の批判を受けていたはずです。
 仮に、無投票で菅首相が再選されたとしても、菅内閣は、覚悟や政策を国民に伝えるチャンスを失ったまま「低空飛行」を続け、早晩行き詰ったはずです。
 「傀儡」ではなく小沢氏本人が代表選に出馬することで、これまで表舞台に出る機会が少なく、その実力に期待が寄せられる一方で「何を目指しているのかが分らない。」と言われてきた小沢前幹事長の考えを国民に知ってもらうよい機会だと思います。
 民主党を代表する両雄が、権力闘争ではなく、広く国民に開かれた形で政策論争を行うことは、今後の民主党政権の方向性を決め、それに正当性を与える上で重要だと思います。

2. なぜ、小沢一郎ではだめなのか。
 私は、「反小沢」ではありません。小沢前幹事長は、まちがいなく昨年の政権交代の最大の功労者であり、「『ねじれ国会』やこの難局を乗り切れるのは小沢さんしかいない。」、「官僚をねじ伏せ、真の政治主導を実現できるのは小沢しかいない。」という小沢氏の「剛腕」に期待する気持はよく分かります。
 しかし、いま、小沢前幹事長が首相になれば、予算委員会で「政治とカネ」の問題で野党から集中砲火を浴び、参議院では問責決議を可決され、その力を発揮することはできないでしょう。
 また、6月に、当時の鳩山首相は、「『政治とカネ』の問題が足枷となって民主党が本当にやりたいことが前に進まない。」として、小沢幹事長とともに辞任しました。その後、3ヶ月間に国民のあいだの「政治とカネ」に関する不信が解消されていないにもかかわらず、当の本人が代表・首相になることに国民の理解を得ることは困難だと思います。

 ただし、私は「排除の論理」にも与しません。小沢前幹事長の実力を認め、然るべき形で党運営に参画してもらえるように協力を仰ぐべきです。
 さらに、参議院選挙大敗の責任を誰もとらないというのは、やはりおかしいと思います。もっと早い段階で幹事長や選挙対策委員長の更迭を行っていれば、ここまで執行部への批判が高まることはなかったかもしれません。

3. 本当に、菅直人でよいのか。
 菅首相の続投を支持する巷の声は「菅さんも頼りないけど、日本は短期間で首相を代えている場合ではない。がんばって続けてもらうしかない。」という消極的支持です。しかし、これでは菅内閣は持ちません。郵政民営化を改革の旗印に「殺されてもやる。」と抵抗勢力と闘った小泉首相は世論の支持をバックに長期政権を維持しました。菅政権を浮上させ、「ねじれ国会」を乗り切る唯一の道は、代表選挙を通して、菅首相が命がけの覚悟と「これだけはやり抜く。」という政策を国民に訴え、世論の支持を得ることです。
 私は菅グループではありません。私を含む一期生有志は、手放しに菅首相の続投を支持するのではなく、また、特定のグループや先輩議員に従うのではなく、自主的に行動していこうと考え、8月26日、官邸で菅首相に要望書を渡しました。

 私は、菅直人という政治家の本領は、「闘う菅直人」にあると思っています。菅首相は、「地盤・看板・かばん」がないと政治家にはなれないと言われた時代に、市民運動から身を起し、3度の落選を経て議員になりました。そして、カネを集めて子分を養わなければ首相になれないと言われながら、カネのかからないクリーンな政治を貫いて首相にまで上りつめました。つまり、菅直人は旧い政治と闘ってきたのです。また、菅首相は、厚生大臣として、官僚が隠そうとしたエイズ問題を世に明らかにしました。つまり、菅直人は官僚政治と闘ってきたのであり、財務省にとりこまれてはいけないのです。
 立候補の政見には、その「闘う菅直人」という言葉がありました。また、企業・団体献金の禁止、国会議員の定数削減、国家公務員人件費の2割削減に向けた人事院勧告を超えた削減など、「まず隗より始める」、既得権と闘う政策が盛りこまれています。
 菅首相がこうした覚悟と政策を、代表選挙を通じて国民に訴え、最強のライバル小沢前幹事長に正々堂々勝利してこそ、真のリーダーシップを確立することができると考えます。
 反対に、もし、民主党が世論と正反対の結論を出すことがあれば、国民に見放されます。

4. 鳩山・菅・小沢時代を超えて
 私は、今回の代表選挙で、小沢前幹事長の立候補がなければ、場合によっては、第三の候補を若手の中から擁立することも考えました。
 あえて失礼を承知で申あげれば、鳩山・菅・小沢を軸にしか語られない民主党にはうんざりしています。もっと若い世代で新しい民主党をつくっていかなければならないと思っています。
 鳩山・菅・小沢というそれぞれ出自や政治信条も異なる政治家が自民党政権打倒のために、これまで小さな違いには目をつぶって大同団結してきました。しかし、ここで一度、けじめをつけて、次のステージに進む時が来たのだと思います。
 明治維新の時も倒幕の立役者と、その後の明治政府建設の中心人物は異なります。
 党所属の衆議院議員の半数を占める一期生は、民主党の旗の下に集い、自民党に代わる新しい政治を目指して昨年の選挙を戦いました。私たちには、反小沢も親小沢もありません。クリーンでオープンな民主党ときれいごとを言うだけでなくシビアに結果を求める泥臭い「国民生活が第一」の民主党、その両方のハイブリッドが私たち一期生です。

 みなさまには、この歴史的な節目となる代表選挙の意義を熟慮の上、貴重な一票を行使していただくよう心よりお願い申しあげます。