砂糖水に群がる蟻のよう

　先週から、世間を賑わせているマンション等の構造計算書偽装問題への対応で忙殺されている。最も時間をとられるのがメディアの対応である。国会の場だけではなく、メディアを通じて広く国民に情報提供すること、問題提起していくことはたいへん重要であり、私たちもメディアの皆さんにはできる限り協力したいと思っている。
　しかし、正直言うと、入れ替わり立ち代りやって来ては同じことしか聞かないメディアの態度にはうんざりする。ひとつのことにあまりにも集中しすぎるという印象がある。言葉は悪いが、まるで砂糖水に群がる蟻のようである。性質が悪いのは、向うに別の砂糖水が垂らされると、右から左にバッート移動してそちらに群がることだ。前のことは食い散らかされたまま、深堀されることのないまま放置されてしまう。
　広島の小1少女誘拐殺害事件で広島の現場に群がっていた報道陣が次は栃木に殺到する。現場に山のような報道陣が駆けつけて何の意味があるのだろうと思ってしまう。
　１社でもいいから、他とは違う切り口で取材や報道をする局がないものかと思ってしまう。

富士は日本一の山

　外務省のオピニオンリーダー招聘事業で韓国の元外交通商部長官を日本に招聘した時のこと、滞在中の希望事項等について在韓大使館を通じてやりとりをしていて印象に残っていることがある。韓国人が富士登山に並々ならぬ関心を示したことである。よくステレオタイプな日本の象徴として、「フジヤマ、ゲイシャ」なんて言うけど、そんなモノかなあと感じたのを憶えている。
　日本人なら富士山は誰でも知っているが、はたしてそれくらいの日本人が富士山に登ったことがあるのだろう。かく言う私も未だ富士登山の機会には恵まれていない。登ったかどうかは置いておいても、多くの日本人が富士山の偉大さ、美しさをよく認識していない気がする。
　先日、紅葉が終りかけの河口湖に知人を訪ねて行ってきた。湖越しに間近に見る富士山は、まさに圧巻、「日本一」の称号に相応しい。
　ディスカバー・ジャパン！日本人自身がもっと日本のよさ、美しさを知るべきだと思う。