人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

150日間の会期末を迎えて

2012年06月21日 | 国会
 本日、150日間の通常国会の会期末を迎えました。会期は、9月8日までの79日間の延長となりましたが、これから数日間の間には、社会保障と税の一体改革についての採決を迎えることになると思われます。党内には、造反や欠席の動きもあり、緊迫した状況が続いていますが、私自身の姿勢と考えを150日間の会期の会期末という節目に表明しておきたいと思います。
 結論から言うと、私は、今回の採決には、当たり前のことですが、粛々と賛成いたします。
 私も白地で言えば、正直、「消費税引き上げは近い将来に避けて通れないことだが、今、やるべきことなのか?政治生命をかけるなら他にもっとやることがあるだろう。」と思います。しかし、ここまで来て、三党合意を反故にする選択肢は現実的にはないと思います。もし、そんなことをすれば、民主党は公党として信頼を失い、今後の国会運営はもちろん、「民主党と話をしても信用できない。」ということになってしまいます。また、財政再建に向けた姿勢に関する政治への失望感がマーケットに与える影響等も無視できないと思います。
 野党であれば「自分たちの主張を最後まで貫いたけど与党案が通ってしまいました。」で済むかもしれませんが、与党として「自分たちの主張が通らないので交渉は決裂しました。」では済まされません。物事を前に進める責任があります。考えてみれば、自民党単独政権の下、衆参両院で過半数を制していて、野党はとにかく反対し、与党案がそのまま通るという従来の日本の政治の方が稀で、議会政治では、与野党が互いに妥協して成案を得るのは普通のことで、とりわけ、この「ねじれ国会」の下では当然とも言えます。100点満点は無理でも、50点でも40点でも、0点でないことが必要だと思います。半歩前進になるのか、30㎝前進になるのかは分かりませんが、ここまで来て、「決められない政治」を露呈することは許されないと思います。
 党内の議論でも「消費税引き上げはマニフェスト違反」だという議論がありました。この点、たしかに、マニフェストでは、四年間は税率の引き上げは行わないと書いている以上、その誹りはまぬかれないとは思います。しかし、実際の引き上げ時期の前に我々は総選挙による国民の審判を受けます。また、たとえ法案が成立しても、実際に税率の引き上げを決めるのは、どこまでいっても時の政権でしかないのです。
 報道等では社会保障に関するマニフェストの内容をすべて捨て去り、税率引き上げだけが残ったかのように言われていますが、私は、必ずしもそうではないと受け止めています。社会保障以外の部分でも景気条項に具体的な成長率を明記することなどは、よく守ったと評価してもよいと思います。最低保障年金を含む年金制度の抜本改革について、自民党は撤回を要求していました。マスコミは「棚上げ」と批判しますが、我々は少なくとも旗は降ろしませんでした。妥協をした部分についても、ここで終わりではなく、今後の政治状況や経済財政状況の変化を見つつ、さらに我々の目指すところに近づくよう努力すればよいのです。たとえば、パート労働者の厚生年金加入についても、まず、法案提出段階の党内の議論の中で対象が当初の案より大幅に減って75万人となり、三党合意で更に絞られて25万人にりました。大幅な妥協ですが、それでも自公政権時代の案よりも対象は拡大しています。 今後の政治状況の中で私たちが理想とする姿に近づけられるように、更に拡大に向けて努力すればよいのです。

 私は、マニフェストについて、現時点で100点なら守れた、40点なら守れていないと判断することは、あまり意味がないと思います。「マニフェストの呪縛」が政治に混乱を呼んでいる部分があります。私は、東日本大震災が起きた直後に、マニフェストについて守れたこと守れなかったことをしっかりと検証して、謝罪した上で、マニフェストを全面的に見直すべきだったと思います。マニフェストの本場のイギリスでも経済状況等の変化に応じてマニフェストは毎年見直すのが当たり前だと聞きます。また、英国でもマニフェストが与党の思いどおりに実現せず、議会での審議を通して修正されるのは当然のことと受け止められているそうです。

 最後に、私は、採決には賛成しますが、党内手続きには強い違和感を感じています。民主党は、これまでも素案、大綱、法案提出という社会保障と税の一体改革だけでなく、TPPへの交渉参加問題などでも党内での意思決定の稚拙さをさらけ出してきましたが、今回も同じことが繰り返されたことは情けなく、残念でなりません。
政調合同部会も昨日の両院議員懇談会も執行部が何を目指して、どのようなクロージングを想定して会議を開催しているのかが、さっぱり分かりません。失礼ながら場当たり的で、また、反対派や慎重派を本気で説得しようという意欲も感じません。ガス抜きのつもりかもしれませんが、ガスは抜けるどころか充満し、党内の亀裂は深まるばかりです。あんな終わり方なら、長時間、罵り合うことを避けて、もっと早く押し切った方がよいくらいです。
 私は、何人かの議員が提案していたように、両院議員総会で、正々堂々と採決するのが一番スッキリするやり方だと思います。執行部は、個別の政策の賛否は両院議員総会ではなく政調部会で議論すべきだと主張しています。私も法案提出について政調会長一任で決めたことはそれでよかったと思います。しかし、三党合意は、党内だけの問題ではありませんし、もはや個別の政策を超えて党運営の根幹に関わる問題になっていることは誰の目から見ても明らかだと思います。また、採決について党議拘束をかけるならば、それなりの手続きが必要だと思います。党規約に基づく規定の人数を超える議員から開催要求が出ている以上、両院議員総会を開催して、そこで、採決をすればよいのではないでしょうか。多数決で承認されれば、その結果には、反対の人も従うべきだし、党議拘束をかけた上で造反すれば処分も受けるのは当然です。反対に、党内で過半数の賛同を得られないものを強行するのは、正当性はありません。執行部もそれくらいの自信はもってなければ嘘です。

 皆さんがお感じのように、今の民主党はダメです。今の政治もダメです。しかし、私はあきらめません。だからこそ、自分たちの手でよくしていかなければならないという使命感をあらたにしています。今後、79日間の延長の中で、いろいろな厳しい場面も予想されますが、自分の考えをしっかりと持って、恥じることのない行動をとっていきたいと思います


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