人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

湯島のしょうちゃん

2005年11月15日 | Weblog
 御徒町、湯島天神に「鳥つね自然洞」という鳥料理の店があって、グルメ雑誌等でも親子丼が取り上げられている。
 先日、妻と上野界隈で晩飯を食べようと店を探していて、たまたま覗き込んだ千代田線の湯島駅近くの路地に「鳥つね」というのれんが目にとまった。
 「御徒町の鳥つねさんと同じ店ですか?」と聞くと、好々爺が「親戚みたいなもんです」と応えるので、半信半疑のれんをくぐった。
 奥に座敷があるようだが、手前はカウンター席のみの質素な店構え。鳥料理のコースと親子丼を食べたが、味はなかなかだった。
 話をよく聞くと、私が思っていたのは、湯島天神近くにある「鳥つね自然洞」で、そちらは、「鳥つね」の大将の弟さんの方がやっている店らしい。
 ここの大将、常連のお客さんに「しょうちゃん」の愛称で呼ばれているおじちゃんが威勢がよくて、かつ愛想がよくて素敵なおじいちゃんだった。
 上野池之端に生まれ育ち、御歳83歳、顔ツヤもよく、しっかりしていて、とてもそんな歳には見えない。いまも毎日自転車をこいでると言う。酒もタバコもやらず、お祭りでお神輿をかつぐのが唯一の趣味と言う絵に描いたような江戸っ子だ。
 それでいて、人なっつこくて、大将と話していると幸せな気分になる。
 後でやってきた常連さんが「別のところで食べてきたからお腹はいっぱいなんだけど、しょうちゃんに会いたくて」と言って、差し入れにもってきたアイスもなかをうれしそうにほうばるしょうちゃんの笑顔は、私達にとって何よりのご馳走になった。

登山中に濃霧で道に迷ったら・・

2005年11月04日 | Weblog
 民主党が総選挙で惨敗したことについて、様々な分析がなされている。共通して指摘されているのは、郵政民営化法案への対応の誤りである。小泉総理が、郵政民営化を争点にして喧嘩をしかけている時に、政権が黙っていても転がり込んでくるかのような錯覚に陥り、戦う姿勢を示せなかったのが最大の敗因である。
 戦う姿勢は、とても大切である。私自身、どうしても無難な道を選んでしまう傾向がある。うちの代議士からは「無理か無理でないかじゃなくて、まずは受け止めることが大切」と言われる。
 人間、窮地に追い込まれて、逃げずに前に出られるかで、人生変わってくるのではないかと思う。その点、うちの代議士は、いつも前へを実践してきて、いまがあるのだと思う。
 「異形の将軍 田中角栄」を読んでいたら、次のようなエピソードがあった。
 「登山をしていて、濃霧にあって道に迷った場合、助かる方法には2つある。一つは、沢伝いに下っていくこと、平野に出られる可能性が高い。もう一つは、霧中を上へ上へと登って頂上に達すること、頂上に立てば霧は晴れ眺望が広がるだろう。たいていの人間は前者の方法をとる。しかし、政治では、後者が重要。困難に直面して、前に出る姿勢、これが必ず道を拓く。」
 肝に銘じたいと思う。

「下流社会」

2005年11月04日 | Weblog
 「下流社会-新たな階層集団の出現」(三浦展/光文社新書)を読んだ。なんとも刺激的なタイトルである。
 山田昌弘の「希望格差社会」で受けた衝撃を再確認した。
 マーケティング・アナリストならではのデータでいま起こりつつある社会の階層化を鋭く描き出している。
 「下流の男性は引きこもり、女性は歌って踊る」とか「第4の山の手論」には思わず、ウンウンとうなずいてしまう。
 消費性向というのは、社会がどういう方向に向いているかを映す鏡である。政治や選挙にマーケティング論を持ち込むことは、ポピュリズムに陥る危険があり、手放しには賛成できない。しかし、一方で、政治は、いま社会がどこに向かっているかをしっかりと見極めて上で、社会の向かうべき方向を指し示す役割が求められている。
 いま起ころうとしている階層化、これは我々日本人が求めている社会の姿なのか政治は国民に問いかける責任があるのではないだろうか。
 人の性は悲しいもので、こういうものを読むと、自分は、どうしても、上流?下流?それとも中流?と考えてしまう。
 そういう意味でも興味深い一冊である。