人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

参議院選挙の総括

2010年07月29日 | 国会
明日30日の臨時国会の召集を前日に控え、両院議員総会が開かれ、参議院選挙の総括が行われました。

多くの議員から発言がありましたが、主な意見は、代表自身の責任を含む厳しいけじめを求めるもの、消費税発言を含む2009マニフェストを勝手に変更するような発言に対する猛省を求めるものでした。

何人かの意見を引きながら、私の感想を申しあげれば、責任論を振りかざす人の気持ちは分からないでもないです。少なくとも、選挙対策委員長や幹事長が責任をとることは、避けがたいと個人的には思います。ただし、菅代表については、野党の代表ではなく、内閣総理大臣ですから、簡単に辞任することは難しいと思います。9月には代表選挙が予定されていることですから、それぞれの議員が代表選挙で自分のおもいをぶつけるとともに、党員・サポーターを含む広く開かれたプロセスの中で菅代表・総理は審判を受ければよいと思います。
マスコミフルオープンの中で執行部の吊るし上げのようなことをしても「民主党、責任論噴出で混迷。」と面白おかしく書かれるだけで、それは国民が民主党に求めているものではない気がします。

大切なのは反省を今後にどう活かすか。マニフェストが勝手に変更されたという批判については、参院選挙後も国家戦略局の格下げや概算要求でのシーリングの復活など、党内での十分な議論を経ずに、これまでの方針が変えられるということが続いています。党の方針がどこで議論され、誰が決めているのか、現政権でそれが不明確なままであることは大きな問題だと思います。

総括の文書は、事務方がまとめた文書であって、魂がこもっていない。菅総理には「俺はどうしてもこれをやり遂げたいんだ。だから、こんなことを言える立場ではないかもしれないが、どうか引き続き棘の道を歩まして欲しい。昨年の政権交代で国民と約束したことを何が何でもやり遂げたいんだ。」という熱いおもいを語って欲しかったと思います。残念ながら、今日の菅総理は、顔面蒼白で、「よし、この人に命運を託そう!」と思えませんでした。来るべき衆議院選挙で菅総理がそれを感じさせてくれるか、私自身もしっかりと見極めていきたいと思います。

参議院選挙、戦い終わって・・。

2010年07月15日 | 政治
参議院選挙は、民主党に対してたいへん厳しい結果に終わりました。
しかし、全国的な苦戦の中で、愛知県で斉藤よしたかと安井みさこの2人を当選させていただいたことには大きな勇気をいただきました。特に、たいへん厳しい情勢の中で、安井候補が当選できたことは大きかったです。

今回の選挙の敗因を消費税への言及に求める声がありますが、私は、そうは思いません。もちろん、消費税問題が選挙結果にマイナスに働いたとは思います。しかし、菅総理もそれを覚悟の上で選挙前に発言したのです。

消費税については、反対の声もある一方で、「菅さんの発言は勇気ある発言だ」という評価する声も多くありました。また、選挙の出口調査や選挙後の世論調査でも約6割以上の国民が「消費税はいつかは引き上げる必要がある」、「消費税について議論をすることは必要」と認めているのです。

多くの国民は「年金も医療もしっかりやります。でも、負担は求めません。」などという上手い話がないことにちゃんと気づいていて、「社会保障をちゃんとやってくれるなら、応分の負担は覚悟している」という方が実は多いと思います。

ただし、会社でもそうですが、まず、役員の報酬カット、管理職のボーナスのカットをやって、「上も自ら身を削っているんだから、従業員のみなさんにも痛みを分かち合ってほしい。」という説明をすべきです。まず、議員定数の削減、給与カットを含む公務員制度改革を約束した上で国民に負担を求めるのでなければ反発を買うのも当たり前です。また、具体的な数字や細かい制度設計について踏み込んだ発言をすることで自らを縛ってしまったのも、普天間問題で5月末の期限を区切った鳩山総理の教訓が活かされていない気がします。

しかし、800兆円を超える国の借金も、少子高齢化社会の到来も昨日起こったことではありません。何十年も前から分かっていたことなのに、不都合な事実から目をそらして、何も手を打ってこなかったのが前の政権であり、私たちは、そうした問題から逃げることなく正面から向き合う覚悟を示すべきです。

「入りをはかって、出を制する」のが財政再建の要諦です。出を制するという点では、事業仕分け等を通じて徹底的にムダづかいなくしていく、入りをはかるという点では、強い経済を実現し税収を上げるとともに、必要ならおそれず負担もお願いしていかなければなりません。

菅さんには、選挙に負けたからと言って、簡単に主張をひっこめたりしないで、ぶれないでいただきたいと思います。

私は、参院選挙敗北の直接の原因は、一人区での劣勢だと思います。私は、今回の選挙で福井に応援に行きました。高齢の現職に、公募で決まった34歳新人が挑んだ選挙、たしかな手ごたえを感じましたが、一歩及びませんでした。福井では、なんと昨年のあの政権交代を起こした総選挙でさえ小選挙区で全敗しているのです。地方に行けば、まだまだ県会議員、市町村会議員は全部自民党というのが実情です。民主党も地方の基盤をもっと強固にしなければ、いつまでたっても風頼みの選挙をしなければなりません。昨年の総選挙で政権交代が完成するのではなく、本当は参議院選挙に勝って政権を安定させ、その次には統一地方選挙に勝ってこそ、政権交代、平成維新を完成させることになるのです。

国会運営は多難を極めることが予想されますが、現実を受け止め、その中で、精一杯、みなさまの期待に応えていけるように努力してまいります。