人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

【書評】YUIGON もはや最後だ。すべてを明かそう。

2011年06月23日 | 書評
「YUIGON もはや最後だ。すべてを明かそう。」浜田幸一/ポプラ社

ハマコーの遺言の書、ツイッターで「おもしろい!」という評判を見て、買い求めたが、発売当初、いくつかの書店で売り切れになっていて、なかなか手に灰らなった。そんなに売れているのか?

たしかに、気軽に読めて、読み物としては、それなりに面白い。しかし、「すべてを明かそう。」という副題に期待するほどの、「今だから言える」という衝撃の真実を期待していると、少し肩透かしである。

「最近の政治家は小粒になった」という声をよく聞くが、たしかにハマコーさんの快刀乱麻の活躍は痛快である。単なる「政界の暴れん坊」というだけでなく、そこにはやはり見習うべきものがある。
 
まず、分をわきまえていること。自分は陽の当たるポストとは無縁と、自分しかできない役割に徹している点が尊敬できる。

ハマコーさんは、政治主導や官僚ではできないこと、政治の力というのを理解していた人だと思う。

「YUIGON」にこんな一節が出てくる。

「そんなとき、融通の利かない役人の前で、私は机の上に寝転ぶのです。『この話を受けない限り、私はここからテコでも動かない』という意思表示です。そうです、この作戦しかないのです。理詰めでくる相手に理で返したところで埒があきません。理には体です。『この相手には、理は通用しない』と、相手に戦意喪失させることです。相手が折れるのを辛抱強く待つのです。」

アクアラインについて「地元利益誘導型政治をやりました。ごめんなさい。」と謝りながら、房総半島、木更津の人々のために仕方なかったとも言っている。ハマコーさんなくして、アクアラインができなかったのはたしかだと思う。自分が、国のためになる、地域のためになると信じることには体を張る姿、その迫力は、見習うべきところがあると思う。

政治主導に関するところでは、消費税の引き上げについて、
「財務省の官僚に国家財政の危機的な内容を諄々と説かれ、洗脳されたのだとする見方がありますが、当たらずとも遠からずでしょう。」、「私なら『そんなもん知らん』で押し通せるが、そうはいかないのがインテリなのでしょう。」
と述べている。

政治家が官僚に対して「俺はこんなことも知っているぞ」と知識をひけらかしても虚栄心を満たすことにしかなりません。それよりも、時には馬鹿なふりをして、「そんなもん、知らん」という方がよほど政治主導なのかもしれない。

今、この時代にハマコーさんに魅かれる人々が多くいることは理解できる気がする。 


百貨店を市庁舎に?!

2011年06月21日 | 政治
 厚生労働部門での被災地の雇用情勢調査のために、これで3度目となる被災地の訪問を行いました。今回、日程の中で、石巻市役所を訪れ、亀山市長にお会いする機会がありました。
 今回の訪問の目的とは異なりますが、そこで衝撃を受けたのは、石巻の市庁舎です。
 駅前にある百貨店の跡を市庁舎として利用しています。
 市町村合併をきっかけに移転を検討していたところ、2008年に「さくら野百貨店」が閉店を発表。床面積など条件を満たしたため、約半年後に移転を決め、百貨店側から無償で建物を譲り受かたとのことです。
 なんと、一階にはスーパーが入ったままですし、建物の雰囲気は百貨店そのまま。各フロアもしきりがなくて、見通しがよいつくりになっています。これは、実際に見ると、たまげます。
 詳しい事情は分かりませんが、これを決めた市長は英断だと思いました。

民主党雇用対策WT宮城県現地調査

2011年06月21日 | 政治
 6月20日、民主党厚生労働部門・雇用対策ワーキングチームで宮城県に、震災後の雇用情勢の調査に行ってきました。

 主な日程は以下のとおり。
 0640 東京駅発 はやて115号
 0847 仙台駅着
    ハローワーク石巻
    石巻市役所
    ニチイ学館石巻教室
    ハローワークプラザ青葉・マザーズハローワーク青葉
    みやぎ求職者総合支援センター
 1559 仙台駅発 はやて128号
 1808 東京駅着

 以下、特に印象に残った点について記しておくと、

○ ハローワーク石巻
 ・約1万人の求職者に対して求人は約2700と圧倒的に職が不足している。復興関係の求人も増えてきてはいるが、資格、免許、特別な技能を要する  ものが多く、ミスマッチがある。水産加工をはじめとする地場産業の復興が雇用のために欠かせない。
 ・2850名にアンケート調査を行なったところ、95%が地元での就職を希望。県外求人があっても、地元志向が強くてミスマッチになっている。求  職者や人口流出を嫌う地元自治体の意識改革が必要。

○ 石巻市役所
 ・北関東の自動車関係企業から二次避難とセットのような形での雇用開会提供の申し出もあったが、気持ちの整理がついていないこと、世帯主と  して地元で果たさなければならない仕事もあって石巻を離れることには二の足を踏んでいるのが実情。
 ・市の工業生産の半分が水産加工業であり、水産加工の復活なくして、地元の雇用は復活しない。水産加工業は、中小企業庁と農水省の所管の間  に落ちてしまって、思い切った支援が行われない傾向がある。水産加工に特化した支援をお願いしたい。
 ・雇用保険制度の根幹に関わる問題なので、難しいとは思うが、短期の震災対応の緊急雇用事業に就いた場合にも、雇用保険給付を同時に行うこ  とはできないのか。
 ・緊急雇用事業については、NPOとの連携の下、仮設住宅入居者への情報提供サービスや巡回型被災高齢者支援等を行う。
 ・説明会を行うと、企業をグループ化した場合の補助金に地元企業の関心が高い。
 ・各種補助で県の負担割合4分の1が足かせになって、施策の全体のボリュームを結果として決めてしまっているとの指摘が多い。
 ・現在は、雇用保険給付を受けている人が多い、延長期間が切れる11~12月に失業問題が本当の山場を迎えることになる。

○ みやぎ求職総合支援センター
 ・緊急協創出事業の補正での積み増しと要件緩和はたいへんありがたかった。他方、土木・建設を含む一層の要件緩和と委託だけでなく民間への  直接補助のような形態も認めて欲しい。
 ・予算規模の8割しか事業計画化していないのは先行きが不明だから。二次補正でも緊急雇用創出事業の十分な予算確保をお願いしたい。

 実際に行ってみて感じたのは、もちろん現在も雇用情勢は深刻ですが、現在はまだ多くの人が雇用保険をもらっていたり、避難生活からまだ脱したばかりで、気持ちの整理もついておらず仕事を探す段階にもいっていない人も多いという状態だということです。つまり、本当に深刻なのは、延長された雇用保険の給付の期限が到来する11~12月の時期です。その頃は、ちょうど年末にあたります。「年を越せるか」というのは日本人にとっては気持ちの上で重いものがあると思います。最低でも、それまでに何とかしなければなりません。
 まず、すぐに考えられることとして、次のことが必要です。
1. 震災対応の緊急雇用創出事業は被災地での雇用機会の提供に効果的だが、一旦、職に就いてしまうと、雇用保険の受給資格がリセットされてし まうこと等があって躊躇しているケースがあると思われ、制度の改善が必要。緊急児湯創出事業は二次補正で更なる拡充が必要。
2. 宮城県沿岸部では、漁業及び水産加工業がこれまで多くの雇用機会を提供していたことを考えると、人口流出を防ぐためにも、水産加工業の一 早い復興が何よりの雇用対策であり、水産加工業の復興に集中特化した支援を行うべきである。

 厚生労働部門での議論にしっかりと反映させたいと思います。

節電に伴う休日保育への財政支援を決定!

2011年06月21日 | 政治
 先日の一般質疑で、7月~9月の土日操業に伴う休日保育や放課後児童クラブの休日開設に伴う経費の財政支援について、質問をしたことは、このブログにも書きました。その時にも、小宮山副大臣が前向きな答弁をしてくれましたが、6月17日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課は、都道府県等に対して「夏期の電力需給対策に伴う企業の就業時間等の変更に対応した休日保育特別事業、延長保育特別事業及び家庭的保育特別事業の実施方法について」という事務連絡を発出しました。
 この事務連絡の中で、「事業実施に当てって、保護者負担を徴収しないこと」、「事業を実施するに当たり、新たに必要となる経費にかかる財政支援については、安心こども基金を活用して行う」ことを明確にしています。
 小さなことですが、自分が取り組み、国会でも質問したことが、形になることは、やはり、うれしいものです。
 今後も、地元で皆様からいただいた声を国政で形にしていく活動を地道にしていきたいと思います。

厚生労働委員会一般質疑

2011年06月10日 | 国会
 6月10日、RFO法改正案の起草を念頭においてという理事会の申し合わせの上で、厚生労働委員会での一般質疑が行われました。
 
 被災地においても、社会保険病院等が地域医療の拠点として大きな役割を果たしました。しかし、RFOによる譲渡がなかなか進まない中で、長い間不安定な状態におかれた厚生年金病院や社会保険病院では、医師や看護師の離職や診療科の閉鎖等が進んでいました。委員会提出の法案が早く成立することを願います。

 今日は、久しぶりの厚生労働委員会での質問の機会だったので、全体で20分という短い時間でしたが、いくつか別の問題についても質問をさせていただきました。

 まず、消費税損税の問題。みんなの党の柿澤委員は、社会保険病院等の税制優遇の話を取り上げていましたが、社会保険病院も一般の病院も経営が厳しいのは同じで、その中で、消費税の損税が平均すると一病院あたり約6000万円あると言われています。医薬品の仕入れ代金はもちろん、設備投資等にも消費税がかかっていますが、保険診療は非課税なのでそれを窓口負担に転嫁することができません。厚労省は、診療報酬の上乗せで対応していると言いますが、実際には赤になっています。おりしも、税と社会保障の一体改革の議論が行われている、今こそ、これを見直すチャンスです。

 次に、自動車業界の土日操業にあわせた休日保育等の対応について。既に各自治体で対策を進め、愛知県では経費の追加に対して、財政支援を行うことまで決めています。浜岡原発の停止は首相の要請に基づくものであることを考えれば、国も財政措置を検討すべきです。「金の心配は要らないから。7月に間に合うように対策を進めてください!」というのが政治の役割です。この点について、小宮山副大臣は、官僚の用意した答弁ペーパーを超えて、安心子ども基金の活用や補助率のかさ上げについて財務省と折衝中で、しっかりやりたいと踏み込んだ答弁をしてくれました。

 最後は、ユッケでの食中毒の問題。都道府県の担当者の協議会が2002年からずっと法規制の強化を要望していたのに、それが放置されていた問題。現場からの貴重な意見がなぜ、結果として無視されてしまったのか、その原因を究明することが厚生労働行政をよりよいものにしていくために必要だと思います。
 私は、290円のユッケで、百平米超え3000万円台のマンションを思いだいました。馬淵澄夫代議士の政策秘書として、耐震強度偽装事件を桂冠した際、国交省は、建築基準法を改正し、規制強化を行いました。しかし、規制強化により、結果として、確認審査に長い時間を要するようになり、官製不況と揶揄される状況が発生しました。いくら規制を強化しても、悪意で脱法行為をする者は必ず現れます。むしろ、迷惑を被るのはそれまでも真面目にやってきた人ということにもなりかねません。今回の事件も、トリミング等の衛生基準をちゃんと守っていれば起こらなかったのかもしれません。規制を強化してもそれが守られなければ意味がないのです。机上の議論で意味のない規制を行うことないよう現場の声をよく聴くことが重要だと思います。

 政局に流れる国会ですが、地味かもしれませんが、質問の中で政府に確認すべきことは今後もしっかりと確認していきたいと思います。

* 質問の様子は、国会TVから、動画でご覧いただけます。http://www.shugiintv.go.jp/

 

大義なき、展望なき、理由なき、内閣不信任案を否決

2011年06月02日 | 政治
 奇しくも、一年前に、鳩山首相の退陣表明が行われた同じ日に、菅内閣不信任決議案が否決をされました。
 前日の晩には、与党から多くの造反者や欠席者が出て不信任案が可決されるのではないかとの重い空気が永田町を支配していました。しかし、本会議の一時間前に開かれた代議士会で菅首相が一段落した時点で自ら身を引く決意を述べ、鳩山前首相や原口前総務相もその決断を重く受け止め、不信任案に反対することを表明すると、空気は一転し、与党の圧倒的多数の反対で不信任案は否決されました。

 私は、今回の内閣不信任案は、大義がない、展望がない、理由がない、不信任案だったと思っています。

 まず、大義がない。被災地のみなさんが今なお厳しい生活を強いられている中で、不信任案を提出して、権力闘争をしかけることそのものが国民の期待に反するもので、まったく大義がありません。宮沢内閣で与党から造反者が出て、不信任案が否決されたことがありますが、その時には、少なくとも政治改革という大義がありました。

 次に、展望がない。仮に不信任案が可決された場合、10日以内に総辞職か解散を選ぶことになります。しかし、被災地を訪れたことがある議員ならば、今、総選挙などできるはずがないことは明らかです。選挙を行う費用があるなら復興に当てるべきです。選挙をする暇とエネルギーがあるなら、一戸でも多い仮設住宅を建て、一人でも多くの被災者に職を与えることに全力をあげるべきです。一方で、内閣総辞職をして政治空白をつくることも許されません。福島の原発事故が未だ終息を見ていない中で、総理、内閣が不在の状況をつくることはできません。また、「菅を替えろ!」という人々から、「では、どうするのか」という具体的な展望は聞くことができません。

 最後に、決定的だったのは、理由がないのです。不信任案を提出した野党やそれに同調する人たちは「菅が総理の座にいることが日本のためにならない」と言ってきたのですが、菅首相自身が震災対応が一段落したところで辞めるという決断を示したことで、無理やりに引きずり下す理由がなくなってしまいました。

 国民の大多数は「菅さんは評価できない。しかし、一段落するまではみんなで支えて、とにかくこの国難を乗りきるしかないだろう。」と思っているはずです。まさに、この結果は、そのとおりのものです。

 ただし、内閣不信任案は否決されましたが、宿題は残りました。最終的に、反対票を投じたはしたものの、造反や欠席を検討していた人たちが党運営や政府に対して持っている不満が解消されたわけではありません。菅首相、岡田幹事長をはじめ党執行部は、このような事態に陥ってしまったことを深く反省し、不満の声にも真摯に耳を傾け、挙党一致体制の構築のために全力を注がなければなりません。

 この内閣不信任案の否決を機に、いま一度、党内が結束をし、与野党が協力をして、国難に対処するべきです。