人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

小沢元代表の無罪判決に寄せて

2012年04月26日 | 政治
小沢氏に無罪判決 陸山会の土地取引事件 東京地裁(朝日新聞) - goo ニュース

小沢元代表の無罪判決を受けて、各局は競って、このニュースを大々的にとりあげて、「今後の政局への影響云々」と騒ぎ立てている。私は、何か虚しい思いがしてならない。それは、所詮、「政局」への影響であり、多くの国民の暮らしとは関係のないことである。

マスコミも、永田町も、「小沢!小沢!」と騒ぎすぎで、一期生の私としては、小沢を軸にしか政治を語れないマスコミにも、永田町にもうんざりというのが正直な感想だ。
私は、小沢一郎という政治は、すごい人だとは思う。しかし、70歳を過ぎた政治家に、過度に依存することも、過度に怯えることも、もういい加減にした方がよいと思う。

私は、国民が抱く民主党のもともとのイメージは、松下政経塾出身者に代表される若くて、政策通の代議士のイメージだと思う。しかし、そこには、反面、ひ弱さ、未熟さがあったことも事実だ。政治は、正しいことを訴えていれば国民はついてきてくれるというような甘いものではない。小沢一郎は、民主党に、権力を奪取すること維持することの厳しさ、選挙重視という異質のカルチャーを持ち込んだ。私たち、一期生は、小沢幹事長の下で選挙に勝ち上がった、いわば、オリジナル民主党と小沢イズムのハイブリッドなのだ。だから、小沢さんを必ずしも排除しない。反小沢と親小沢という党内の対立はもうたくさんだ。これは国民にも共通する思いではないか。

私は、控訴がないなら、執行部は小沢氏に謝った上で、党員資格停止処分は解除すればよいと思う。一方で、もう、いい加減に、小沢さんに依存したり、小沢さんに怯えたりする政治はやめよう。元秘書である石川知裕代議士も自らの著書「悪党 小沢一郎に仕えて」の中で「『小沢頼みから脱却しなければならない』よく仙谷さんはこう言っている。確かにそうである。我々一人ひとりの政治家は自分自身の考え方をまとめ小沢一郎への依存から脱却し自ら政策を掲げ、それが日本の指針となるような、または対立軸となるようなものを作り上げなければならない時期に来ている。」と書いているが、まったくそのとおりである。

私、個人は、次の選挙で民主党は「元総理と立候補時に70歳を超えている者は公認しない」とすべきだと思う。これが意味することは、鳩山、菅、小沢は、民主党が公認しないということだ。小泉さんは、中曽根、宮沢という元首相に引導を渡した。自民党にも「70歳以上ベテランや元総理にはもう退場願いたい」と思っている若手は多いのではないか。それくらい、過激なことをしないと政治は変わらないのではないかと思う。

「君舟也、入水也」

2012年04月24日 | 政治
 「貞観政要」という中国の古典に「君は舟なり、人は水なり。水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す。」とあります。ポピュリズムはいけません。しかし、民意に背けば、船はひっくりかえってしまいます。「野田」丸は、ただでさえ嵐の中の航海なのに、大丈夫かと心配しています。最近、私が気になったことをいくつか挙げます。

 まず、第一は、前田国土交通相と田中防衛相の問責決議可決について。野党の問責決議を盾にした審議拒否は、天に唾を吐く行為であり、論外です。しかし、我々も野党の時にはやってきました。お互いに与党と野党をそれぞれ経験し、一回ずつ頬をはりあったのだから、もうこんなバカげたことを止めにしようと紳士協定を申し入れすべきです。一方で、与党の責任がないかと言えば、私は、我々与党も猛省しなければならないと思っています。私も予算委員として田中防衛相の答弁を直接聞いてきましたが、見ていられないというのが正直な感想です。百歩譲って専門知識がない大臣はこれまでもいましたが、あの焦点の定まらない目線やしどろもどろの様子を見た国民が「国の安全をこの人に任せていて大丈夫か」と思うのは当然です。なぜ、こんなことになってしまったのか、それは防衛相の人事が一川防衛相の辞任による参院枠の補充として行われたからです。我々は、野党時代、「派閥均衡人事や当選回数で閣僚ポストを回すのはおかしい」と適材適所を求めてきました。なのに、政権交代しても自民党政権と同じことをやってしまっているのです。これでは、国民がそっぽを向くのは当たり前です。

 第二は、原発への対応です。馬淵代議士は、原子力発電所再稼働をめぐる新たな安全判断基準について「目の前に再稼働が迫り、2日間で泥縄式に作った。無責任極まりない行動で、国民に理解いただくのは困難ではないか」と述べました。これは一般の国民の感覚に極めて近いと思います。私は、時間をかけて原発依存率を下げてゼロに近づけていくべきという立場ですが、そのためにも当面は「つなぎ」としての再稼働は必要と考えています。しかし、こんないい加減な形で再稼働をすれば、「つなぎ」として安全な原発を再稼働することさえできなくなってしまいます。新たな原子力規制組織もできていません。また、国会事故調の結果も出ていない中では、事故原因を究明し、それに対する対策を立て、新たな安全基準を作ることも不可能です。野田総理も長期的に「脱原発依存」社会を目指すと言ってきました。段階的に原発依存率を下げてゼロに近づけていく工程表を早く国民に示すとともに、「泥縄式」の安全基準で再稼働を急ぐことは避けるべきです。

 第三は、政治改革、行政改革への対応です。ほとんどの国民は、消費増税率の引き上げは、いつかはやらなければならないことだと理解してくれていると思います。しかし、増税の前にやるべきことをしっかりやれと言っているのです。「八ッ場ダムに代表される大型工事をなぜ、止められないのか」、「議員自ら身を削る姿勢が見えない」というのが大勢の声です。特に、議員定数の削減は「どうせ口先だけで、やるつもりなんかないでしょ」と見られています。私は、個人的には、比例定数80削減の法案を国会に提出して、会期末までの間に与党が多数を握っている衆議院で可決してしまえばよいと考えています。参議院は、「ねじれ」状態なので、参議院では法律案は通りません。しかし、私たち衆議院の議員定数を減らそうという法案に、なぜ、参議院が反対できるのでしょうか。もし、反対をすれば、それこそ、国民は「参議院なんて要らない」と言うのではないでしょうか。

 消費税もTPPもがれきの広域処理も国民が諸手を挙げて賛同してくれることのない難しい問題です。私は、これからは、国民が嫌がることに国民の理解を求める役割が政治家には増えてくると思っています。だからこそ、ひとつひとつの政治課題に対して、丁寧な対応を心がけなければ、思わぬところで足をすくわれることになりかねないと思います。

「レバ刺し禁止令」の愚かしさ

2012年04月12日 | 国会
 ウガンダに出張中の新聞記事等にざっと目を通していて、「『レバ刺し禁止令』の愚かしさ」という4月4日付の社説を見て、わが意を得たりと思ったので、紹介しておきたい。次のようなことが書いてある。

 >ただ1つの事業者が引き起こした不祥事を機に「官」による規制が際限なく広がる、典型的なパターンだろう。耐震偽装事件のあと、建築基準法が強化され、業界を萎縮させた >のと同じだ。

 まさに、私がこの問題に関心を抱いたのは、耐震偽装と同じものを感じたからに他ならない。

 >そもそも、生レバーに危険性があるのはたしかだが、1998年以降の食中毒事例は年間10件ほどだ。食中毒全体の1%に満たず、生ガキの食中毒などと比べて突出しているわけで >はない。およそ食べ物から完全にリスクを取り除くのは難しい。魚の刺し身も生卵も、食べる、食べないは、突きつめれば個人の判断だ。食文化というものは、そうした微妙な >均衡のもとに育まれてきた。そこに「お上」が乗り込んでメニューそのものをご法度にするとは、ほかの分野での過剰規制にも増して愚かしい対応と言わざるを得ない。へたを >すれば「闇レバ刺し」がはびこることになる。

 生食は、食文化であり、何を食べていいとか、悪いとか、そんなことを一々お上が口出しすることが愚かだ。これは、規制のあり方に関わる話だ。

 >抵抗力の弱い子どもや高齢者には肉や魚の生食をさせない。ルールを守らない事業者は個々に処分する。禁止令の前に、やることがあろう。危険を見分ける消費者の自覚ももち >ろん大切である。

 安くて広いヒューザーのマンションに落とし穴があったように、一人前280円のユッケを、子どもに食べさせる側にも過失がないとは言いきれない。従来の基準さえ守っていなかった業者が引き起こした事件によって、多くの真面目に安全なものを出してきた業者がとっばちりを食うのはおかしい。
 本当に、この日経の社説が述べているとおりだと思う。

 今朝の厚生労働部門会議では、長妻座長の求めに応じて、「平成24度の厚生労働省の計画等の主な予定」という一覧が配られた。この中に、「牛レバーの生食の取扱」も含まれている。法律案は、与党の事前審査があるために、事前に我々、与党議員に対する説明があるが、法律事項になっていない計画等の中には国民生活にも密接にかかわるものであるにもかかわらず、与党議員への事前の説明どころか、事後の報告さえない中で、スルーしてしまっているものもある。
 
 議連からの「慎重な検討」を申し入れた直後の審議会での決定には、やはり不信感をぬぐいきれない。

ウガンダ日記その3

2012年04月03日 | 政治
ウガンダで活動するNGOや国際機関の関係者の皆さんと懇談をしました。興味深かった話を以下、書き留めておきたいと思います。

◯ 日本の援助は長期的視点で行われており、信頼されている。反面、時間がかかるため、フットワークのよい中国に負ける。

○ 日本の援助は、時間はかかるが質が高いことがうまく伝わっていない。例えば、ウガンダでも日本のゼネコンが5年かけて道路建設を行ったことがあるが、当時、地元紙には「なぜ、そんなに時間がかかるのか?中国なら数ヶ月でやる。」批判を受けたが、いざ、できてみると、ウガンダでは道路に穴が空くのは当たり前だが、日本の道路はメンテナンスが要らないと高い評価を受けている。

○ 車はトヨタが一番多い。ウガンダで走っている車はほとんどが中古車なので、故障しても部品が手に入らなければ売れない。この点で、先行利益が大きい。最新の車はかえって売れない。なぜなら、電子部品化が進すぎて、ブラックボックス化していて、故障しても自分で直せないから。日本企業もとにかく最新の精密なものではなく、シンプルでメンテナンスしやすいものを狙うべき。

○ エイズは、公式発表と違い、減っていない。若い人たちの間に、HIVに感染しなければ大丈夫という妙な危機感の欠如があ、検査を受ける人が減っている。地元のタブロイド紙の出会い系のコーナーには、HIV陽性の人が同じ陽性の異性を求める書き込みが普通にある。

○ ムセベニ大統領が63歳というのに諸説ある。ウガンダの人に誕生日を聞くと「雨の季節」といった答えがふつうに返ってくる。一月一日とか一月二十三日とか、十一月十一日とかが多い。定年になりそうになると、毎年あ、一歳若返るという笑い話もある。中東などでも、遊牧民が政府の出張所に数ヶ月分の出生届をまとめて出すのは当たり前。

やはり、現場で活動している方々に話は面白いし、ためになります。