人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

竹島、尖閣諸島をめぐる領土問題

2012年08月26日 | 政治
 今年の市制60周年を記念する安城七夕まつりでは、韓国のアンソン市から来た男寺団(ナムサダン)の演技が披露され、綱渡りに象徴されるように日韓の友好の絆が結ばれた。しかし、それから間もない時期に起こった李大統領の竹島上陸は、韓流ドラマやK-POPの流行により高まっている市民レベルでの日韓の友好関係に水を差す行為であり、憤りと強い怒りを感じる。
 私は、かつて外務省の北東アジア課に勤務し、韓国や北朝鮮に関する外交に携わったことがある。歴史的に見ても、広大な国土と人口を持つ中国は東アジアに覇を唱える可能性のある国である。強大な軍事力を保有し、共産主義体制をとる中国に対して、自由主義や民主主義の価値を共有する日米韓が緊密に連携することは東アジアの安定に不可欠である。
 しかし、重要な友人であるが故に、この度の李大統領の常軌を逸した行為に対しては、言うべきことはきちんと言い、毅然とした態度で臨むべきである。
 これまで、自民党政権の時代から、政府は、日韓関係全体に及ぼす影響に対して一定の配慮をして、韓国による「不法占拠」に対して十分な対応を採ってこなかった。実際、1952年の李承晩ライン設定以降、灯台やヘリポートの設置の度に、口上書による抗議をしてきただけで、不法占拠の既成事実化を事実上見て見ぬふりをしてきたことを深く反省すべきである。
 玄葉外相の言うように、今回の大統領の竹島訪問で、「配慮は不要になった」。日韓のハイレベル協議の延期、日韓通貨交換協定の白紙検討を含むあらゆる考えられる対抗措置を採るべきだ。特に、国際司法裁判所への提訴を粛々と進めることは一定の効果があると私は考える。野田首相の言うように、韓国は自らの主張に理があると言うのなら「堂々と応じればいい」。たしかに、過去2回、ICJに提訴した時にも韓国は付託を拒否しているが、前回は50年前のことで、韓国は国連にさえ加盟していなかった。ロンドン五輪の男子サッカーの試合で政治的メッセージを掲げた行為が平和の祭典であるオリンピックの精神とスポーツマンシップを汚す行為として世界のひんしゅくをかったのと同じように、世界的な経済大国の一つである韓国が、国際法にのっとり、冷静、公平かつ平和的に紛争を解決することを拒む理不尽さを国際社会に向けて強くアピールすべきである。

 尖閣諸島についても我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないことであるが、この度の不法上陸事案について、次の2つの理由から、竹島問題とは分けて考える必要があると考える。第一は、竹島は大統領という国家元首の上陸だったのに対して魚釣島は香港の民間活動家らによる上陸だったこと、第二は、不法占拠されている竹島と違い尖閣諸島は我が国が有効に支配をしている点である。
一点目について言うと、尖閣に上陸した香港の活動家らは、反共愛国主義活動家で、普段のデモでは中国旗を燃やしており、中国政府は、彼らを危険人物として入境を認めていない。しかも、このうち一人は9月の香港の立法議会選挙に出馬している。さらに、香港の親中派政権は、洗脳教育反対の民主派デモから目をそらすために彼らを利用しようとしていると言われる。日本のマスコミが彼らを大きく取り上げることは、まさに彼らの思うつぼである。中国政府も新体制移行を直前に控えて、愛国主義デモが反政府デモに飛び火することを懸念しており、今回は極めて抑制的な反応を示していることに注意を払うべきだ。
二点目は、竹島と違い日本は尖閣諸島を有効に支配していることを忘れてはならない。日中国交回復の際、時の周恩来総理は、この問題のいわゆる「棚上げ」を主張した。重要なのは、棚上げは中国にとって有利なことではない。なぜなら、それは暗に、日本の実効支配を変更することを求めないことを意味しているからである。棚上げ合意の廃止はむしろ中国軍部が望んでいることなのだ。20年前は、中国の名目GDPは日本のわずか1割強に過ぎなかったが、現在では中国は日本を抜きGDPで世界第二位となった。私たちがやるべきは、感情に走って徒に棚上げ合意を破棄することではなく、有効な支配をより強固なものにすることである。避難港の設置をはじめ、相手を無用に刺激しないように注意しながら、構造物の設置等の既成事実を積み重ねる努力を急ぐとともに、再び上陸しようとする者を防ぐための海上保安庁法の改正や警備体制の強化を進める必要があると考える。

 竹島、尖閣諸島の両方に共通する課題として、日本人の多くが韓国や中国の主張に対して正確な反論をするだけの正しい知識を持っていないことが挙げられる。学校教育はもちろん、一人ひとりの国民が正しい知識を身につけずして、領土を守ることはできない。もう一つは、その基礎となる調査・研究も国がもっと本腰を入れて行うべきである。中国や韓国は政府主導で必死に理論武装をしてきている。さらに、その調査研究の成果を対外的に大きく発信をしていかなければならない。この点、24日、野田首相自身が記者会見で自らの言葉で竹島と尖閣諸島がわが国固有の領土であることを説明したことは評価できる。

 最後に、領土問題を政争の具にすることは、それこそ、周辺国の思うつぼである。国益に党派はない。大局を見失うことなく、断固として、領土を守っていく覚悟だ。

【書評】修身の教科書

2012年08月11日 | Weblog
「修身の教科書」
小池 松次 著
サンマーク出版


 修身めるというと、何か軍国教育のイメージを持ってしまうところがありますが、ここに収められた文章は、どれも読みやすく、子どもでも興味深く読める内容のものばかりです。
 私は、小学校の低学年の頃には、よく図書室で、偉人の伝記を借りてきて読んだものですが、そういう偉人にまつわる話から、日本人として忘れてはならない徳目、努力・勤勉、勤労・勤勉、創意・挑戦、奉仕・孝行、質素・養生といった徳目が自然に涵養される内容となっています。
 最近は、学校でのいじめが、また、社会問題化していますが、これを読むと、修身のような教育を初等教育の段階でやることが必要だと感じます。