ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

をかしら屋の タレ

2007-07-15 06:06:29 | ホルモン・肉
をかしら屋のタレは、ホルモン・肉の味を引き出すためにある。
醤油ダレは甘さ控えめ、フルーツの香りいっぱいのスッキリタイプ。
辛味噌はコチジャンベースで、深い辛みが肉の味を際出させるように作ってある。
そして、韓国商社から仕入れる韓国塩も秀逸である。
(「野田の塩」もあります)



昔からある焼肉屋のタレは、「タレで食わすぞ」というタレ。甘味が強く、肉に絡む粘性が強い。
確かに、日本に焼肉屋が増えた戦後間もないころは原料情況も流通情況も悪く、日数のたったあまり質のよくない肉屋ホルモンを、どうやってうまく「味付け」するかがその店のノウハウだったと思う。
甘さで舌をマヒさせ、ニンニクなどの香辛料で古い肉の臭みをカモフラージュし、醤油で変色した肉の色を隠し、さらに粘性をつけてこのタレをうまく肉に絡ませる。・・時代の背景を持ったタレだったと思う。
しかし、これが現在にも引き継がれていることには、多少疑問を持つ。もちろん、私の個人的主観として。
チルド技術が進み、肉質も改良されているのに、未だ「秘伝の」タレで肉を食わすことはなかろう。
むしろ、肉の味を引き出す方向に行くべきなのではないか。
「隠す」から「引き立てる」へ。

そして、匂い。
砂糖と、香辛料と、脂があいまってあの独特の焼肉屋の匂いが発する。
いくら無煙ロースターが出現したからといって、匂いのせいで焼肉屋を敬遠する方は多い。
「をかしら屋」は無煙ロースターを使っているし、タレに砂糖、香辛料を控えめにしているから不思議なほど指や袖口にも匂いがつかない。
これに気がついた時、我ながら「こりゃいいや。」と思った。
だから、「お昼も焼いてね。」と知り合いのサラリーマンや銀行員にすすめる。
実際に、焼肉屋でお昼は冷麺、焼かないよ、という「盛岡焼肉常識」にあらず、「をかしら屋」ではほとんどの方が昼もホルモン・焼肉をジュウジュウ焼いている。風向きで店内に煙が舞うことはあるが、あの焼肉屋の匂いが充満することはない。

モミダレもツケダレを基に薄めて使っている。大体が「揉む」事は無く、上から少し「かける」程度だ。
「をかしら屋」のホルモンは匂わないから、そのままの味で楽しんでもらいたい。引き立つ程度にモミダレをかけ、あとは食べる方の自由に。常連客には何もつけないで食べる方も多い。本来は若干の塩味をタレで補った方がおいしいんだろうけど、ホルモンの味をそのまま楽しむのも一興だろう。

このメインのタレ、二種。もちろん手作りです。
門外不出。
だって、この辛味噌ができたから、開業する気になったんだもの。

PS:でも、いつかは「をかしら屋の辛味噌ダレ」として販売。売れに売れて、がっぽり儲ける、なんて夢も。・・はかないか??