ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

店に鎮座しますは

2007-03-25 10:14:35 | 第1紀 をかしら屋
「をかしら屋」店内入口すぐの酒棚横に、ちょこんと鎮座しているのが写真の物体。
さて、なんでしょう。
答えは、本文の後に。

「をかしら屋」といえば、「ホルモン」!!。いやいや、「をかしら屋」は「コラー麺」だべ~、という方も。
この「コラー麺」、をかしら屋オリジナルラーメンです。
ラジオのコマーシャル通り、コラーゲンたっぷりスープをベースにしたラーメンだから「コラー麺」。一説には、本当にうまいから「こりゃ、うんめい(麺)」の「コラー麺」とか。
スープはもちろん自家製。牛豚鶏のコラーゲンたっぷりの部位をスープに。
煮たり焼いたりして食べる精肉や内蔵だけではなく、固かったり捨てたりする部分も使いきるのが、「をかしら屋」のポリシー。「しっぽから舌の先まで」使うのです。私たちのために命を捧げてくれる動物たちのすべてを使い切らないと申し訳ないじゃないですか。
骨は当然ながら、普段固くて食用に向かない部分、よく使う筋肉や筋は、じっくり煮込む事により固い繊維がほぐれ柔らかくなってきます。こりこりの筋が、ねとっと舌にまつわりつく絶妙のおいしさに変わるのです。そして、これらからでるスープが、とろっとしたうまみをを引き出すのです。骨の髄からもとろ~、筋肉や筋からもとろ~。とろとろの「コラー麺」スープができるのです。
このコラー麺スープの鍋に、牛骨、豚ガラ、鶏ガラ、牛すじ、すねなど(「など」の中身は秘密!!)と一緒に入るのが、「豚粒」。

粒?つぶ?ツブ?・・つぶつぶ?
「粒」は頭。そう豚の頭がごろっと入っています。
豚の頭には、ホホ肉、コメカミ、ハナ、ミミなど想像するだけでとろとろの部分がたくさん。「コラー麺」スープの重要な役目を果たす役者としては充分でしょう。
ただし、この「粒」。頭そのものですから、慣れない方にはなかなか・・。いや、充分慣れているはずの従業員も・・・。いわちくさんから届くたびに、「今日の豚さんはどんな顔かな」と、こわごわ見るわけです。そりゃ、一頭一頭違いますよ。ハンサムなのから少し太り気味のものまで。まず、目を見るのですが、ギラッと開いているのやら、半目やら、眠そうに閉じているのやら。
いわちくさんも優しいですから、「今朝と畜の豚だよ」なんていって来ますね。
下ゆでの鍋に入れるときも、出すときも、手入れして肉部分を再度スープに入れるときも、従業員からは感嘆の(?!)声(または悲鳴)があがります。
当然、毛が混入してはいけませんから、一度煮こぼした後は、引き上げて鼻毛やほほ毛、あご毛などをきれいにナイフでこそげ落とします。これがまた・・。なかなか慣れないですよね。いわちくさんには昔、「と畜手当」があったように記憶していますが、当店でも「ひげそり手当」を要求されるかも。
こうして丁寧に掃除された各部位が、コラーゲンたっぷりながらあっさりしたくせのないスープに変わってくるのです。

「をかしら屋」では、このコラー麺をこの水曜日から少しリニュアル。和風の煮干しだしを少し強く出した、和風しょうゆベースに。冷めたときはぷるぷるなのに、温めるとさっぱりした癖のないスープだった「コラー麺」に、ちょっぴりアクセントをつけました。隠し味のたまり醤油もきいていますね。
リニューアル記念で、いつもは680円のコラー麺を、しばらくはご試食特価500円でご提供しています。ぜひ、お試しください。さっぱりスープに、従業員の悪戦苦闘が浮かんでいますかな・・。

という訳で、文頭の答えは「豚の頭蓋骨」。なかなかスマートですよ。