ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

いわて短角牛

2007-03-10 22:39:37 | ホルモン・肉
今日は土曜日。久々に満席の「をかしら屋」です。皆さんありがとう。
昨夜も来られた常連さん、最後に「いわて短角牛 サーロインステーキ」をご注文。「うまい!!」、ご満足です。

私としてはちょっと複雑。この「いわて短角牛」には、思い入れがあります。
現状で言えば、報道上は、あるいは食関連の情報誌からみると、脚光を浴びていますよね。いわゆる和牛と違って(行政では4種の牛を和牛と認定しています)、赤身の多い牛です。夏山冬里で自然に育った自然の牛、というのがうたい文句。つい最近までは首都圏の生協に出荷し生産も安定していましたが、今では種族の存続が危ぶまれています。お客様にも、「出荷が不安定で、今後のメニュー化は難しいかも」と正直なところをいいました。「いわちく」さんでも直売店に出しづらい様子です。

「いわて短角牛」。和牛と言えば、さしけを好む風潮にあって、赤身の多いこの牛はなかなか評価されてきませんでした。見た目は、輸入牛とかわりません。バブル以来の嗜好とはかけ離れています。生協などの支援者を無くしては、市場価格が安定せず、生産頭数も減ってくるのも仕方のないこと。
岩手県では、増田知事がその特徴を評価していますが、まだまだ行政や農業団体等の支援は必要でしょう。現在は、きちんと評価している一部の消費団体や宅配業者向けを中心に販売されていますが、一般生活者や飲食業が「いつでも欲しいときに買う事ができる」流通ではなく、やや閉鎖的な販売になりつつありますし、生産者・生産量も減少していくものと思われます。
行政や農業団体のように、地域の農業政策の知恵と力があるものが、マーケティングをきっちりしないと、本当に特定のごく少ない販売ルート向けの限定的な生産に落ち着くことになります。生産者にとっては、販売ルートが限定されていても安定していた方がいいのは、わかりますがね。

でも、この牛の赤身の旨さ。肉本来のもつ強さ。特に、調理方法ではローストが肉のうまみを封じ込め、絶妙の味を醸しだします。黒毛和牛と短角牛のローストビーフを知人の店で常連さんに評価していただいたら、圧倒的に短角牛に軍配が上がりました。・・洋食の名人たちがいうように、この牛はうまいんです。かみしめればかみしめるほどうまいんです。

だから、私は「欲しい」。いつでも買える状態にしてよ。行政さん、農業団体さんも考えて。
天然記念物じゃないんだもの。

・・・今日はここまで。書きすぎたかも。しかし、書き切れていないかも。
いいたい事、書きたい事はたくさんあります。
食べてください、「いわて短角牛」。強火で焼くんではなく、ローストや煮込みで。(もちろん、ロースやバラは網焼きでおいしく召し上がれます)

やっぱりレバー

2007-03-10 14:33:20 | ホルモン・肉
盛りのいい当店でも、一押しは豚レバー。
一皿、150グラムと設定していますが、当然、計量器にはのせません。怖いから。たまにのっけると、200グラムを越すことも。
厚切りで、そのままスライスしますので、長いのは12センチメートルくらいに。
切り立てのレバーは切り口の角が立って、本当においしそうです。
当店自慢の辛味噌があいますね。焼きすぎないように。

なかでも、岩泉龍泉洞黒豚のレバーは抜群です。ほんのりとした甘味がたまりません。

しかし、他のホルモンと同じように、若干の個体差はあります。特に、内蔵でも重要な役割をするレバーは、餌や環境に大きく左右されるようです。増体率を高めるために飼料が工夫されているようですが、体への負担も多いのでしょうか。

内蔵にはミネラルが豊富にありますが、特にレバーはご存じのように鉄分が多いようです。女性にはお薦めです。レバー嫌いの方が、「当店のレバーは食べれる」といってくださいます。ぜひお試しを。

参考文献より:「豚レバーは内蔵の王様。ミネラル、ビタミンに富んでいます。」。レバー50グラム摂取で、成人が一日に必要な鉄分10ミリグラムをとれます。ビタミンAもうなぎの2倍。B2も豊富です。その上、豚肉では脂身の少ないヒレ肉より高たんぱく質、低脂質です。調理方法による変化も、網焼きでは脂質・エネルギーが減り、ミネラル・ビタミンはそれほど変化していません。

PS:ちなみに、最近レバーがでて。今朝も急遽、店員がいわちくさんへレバー3キログラムほど追加で取りにいきました。メニューにはありませんが、自家製にんにく漬けと一緒に頼んで、体力を挽回してください。ナムルも合わせれば、風邪も吹き飛びますよ。