あれは,あれで良いのかなPART2

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都知事選は「石原だー」,他の知事選も波乱なし

2007年04月08日 22時52分00秒 | 政治・選挙
都道県知事選挙と政令指定都市市長選挙が即日開票となり,相次いで当選確実が発表されています。
なかでも,注目の集まった東京都知事選挙は,下馬評どおり石原氏圧勝で8時ちょうどに当選確実が出ました。

東京は石原氏の3選が確実に 各知事選も当確が決まる(朝日新聞) - goo ニュース

最近は当選確実が早い

本来はすべての選挙について短評を入れたいところですが,とりあえず地元でもあった都知事選挙を中心に短評を入れたいと思います。
まず,石原氏の勝因ですが,やはり「自民,公明の組織力」と「8年の実績」,そして「人柄というイメージ」がすべてでしょう。
確かに,選挙前には豪華出張問題や四男問題などが取りざたされましたが,それ以上に石原氏のこれまでの功績を有権者が評価したといえるでしょう。つまり,悪い言葉で言うと「これで出張問題のミソギを受けた」ということになります。
また,福祉問題や日の丸問題などでは,かなり批判を受けている部分もありましたが,一方でその姿勢に強いリーダーシップを感じる人も多く,しかもそのような人たちは積極的に投票に行ったが,批判的な人は逆に投票に行かなかったという点もあるといえます。
そして,何よりも「組織力」です。今回は,形式的には自民,公明の推薦は受けていませんが,実質は自民,公明頼みでした。そして,自民,公明支持者の8割以上は,石原氏に投票するという徹底した組織戦術を用いていました。

一方,浅野氏の敗因ですが,やはり「組織力」です。宮城と東京では,やはり組織の力は違います。特に,実質的に民主党の組織力を利用しましたが,民主党支持者は実は6割程度しか浅野氏に投票しませんでした。この点が,石原氏との大きな差となった部分です。いうなれば,民主党はいつものとおり「一枚岩になれない」という弱点がここでも露呈されてしまったわけです。
また,社民党との野党共闘も不発だったといえます。この点は,沖縄県知事選挙でも露呈された部分であり,野党が結束する,という力がまだまだ弱い,もっというと,野党が一枚岩になれない限り,政権交代は夢物語である,ということをはっきりと見せ付けられたといえるでしょう。
ただし,無党派の6割は実は浅野氏に投票しています。ということは,実は都民の多くは,石原都政に否定的であったともいえます。しかし,それが浅野氏につながらなかったのは,「投票率の低さ」です。石原都政の否定者は,今回も投票という行為に出なかったということがあげられます。
したがって,毎度の話ですが,野党,特に民主党がやるべきこと,それはまず「投票率を上げる」ということにあるのです。そして,投票率を上げるためには,「民主党の支持を訴える」ことよりもまず「きれいな政治」と「末端の声が政治に届くシステム」の構築にあります。

今回の都知事選挙は,直ちに国政選挙とパラレルに論じられるものではありませんが,とかく投票率の低い参院選においては,民主党としては「組織強化」と「清い政治」を心がけない限り,亥年の選挙でも勝てないかもしれません。この点は,反省するべき点でしょう。
一方,当選した石原氏も,決して安泰ではありません。確かに,当選はしたものの,問題はまだまだ山積しています。ワンマンと強気の姿勢とでは意味が違います。みんなの意見を集約した上で,強気の知事として腕を振るえばよいのですが,一歩間違えるとワンマン知事となってしまいます。ワンマン知事の行く末は,去年相次いで逮捕された知事と同じようなことになります。
さらに自民党も,結局今回も「困ったときに公明頼み」となったわけです。あまり公明党を頼りすぎると,いざというときに身動きが取れなくなるかもしれません。自民党としても,いい加減「一人で勝てる」戦術をしっかりと考えるべきでしょう。
共産党は,いい加減,党の組織も含め抜本的な見直しを考えるべきでしょう。理想や理念だけでは人はついていきません。そして,何よりも「共産アレルギー」が植えつけられている現状においては,名称変更も視野において考えない限り,無駄な選挙費用をかけるだけで終わってしまうでしょう。

以上が都知事についての短評です。
しかし,今回の選挙で気になる点がありました。それは,ほとんどの知事選が「30分以内の当選確実報道」です。8時に投票所を閉めて,そこから投票箱を開票所に持っていき,そして初めて開票作業が始まりますから,どんなに早くても箱を開けるのが8時半以降になるはずです。
っていうことは,この当選確実は,「報道各社の事前調査の結果」を報じているに過ぎません。しかも,この事前調査結果,公職選挙法の関係で正確には報じられていないものの,数日前にはその空気が伝えられています。そして,よほどなことがない限り,その結果どおりの開票結果となります。
っていうことは,「ふたを開ける前に結果は決まっている。しかも数日前に」ということになるのです。
これは非常に怖いことです。言ってしまえば,「選挙運動は単なる儀式であり,実際は選挙公示前に勝負が終わっている」ということになりかねないからです。そして,法が事前運動を禁止していることを踏まえると,「新人候補は,どんなに良い政策を持っていたとしても,バックボーンがない限り絶対勝てない」ということを暗示しているといえるのです。
これは別に報道が悪いという話ではありません。今の選挙制度と選挙法との間に大きな矛盾がある,ということです。
矛盾を持った制度で当選した議会が果たして本当に真の民主主義体制の議会といえるでしょうか。
統一地方選挙も来週から後半戦を迎えます。こうした矛盾について何らかの問題意識を持っている候補者がいるかどうか,こんなところも少し注目してみても良いのではないでしょうか。
以上,知事選挙から感じたことでした。

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8 コメント

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レールは作られている (ぢょや)
2007-04-08 23:56:55
国会ですらどっかの大臣が成立前の法案を成立したって資料を配っちゃうわけですから、もう世の中出来レースだらけってことでしょう。

それにしても今回の都知事選。私の周りでは石原にもうウンザリって人ばっかりだったにも関わらずの石原圧勝。これも我々庶民とはあずかり知らぬところですでに結果が出来上がっているという見方もありますが、対抗馬が・・・宮城県に住む都知事を作るわけにはイカンと浅野さんを嫌っていた人も多いのでどうにもならなかったですね。
このことからわかるように、参院選では民主党も気合い入れてちゃんと候補者立てないと、自民厳しいと言われつつ前回の衆院選の二の舞になりかねません。そうなったら日本はそれこそ国会が存在する意味がなくなってしまいます。
(いえ、すでに意味がないのかもしれませんが・・・)
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ぢょやさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-04-09 01:13:52
こんばんは。
選挙までレールが敷かれているとなると,本当に「民主主義って何?」と叫びたくなりますね。
やはり,「選挙に行く」ことが本当に大切なんだということが,今回の都知事選挙を通じて改めて痛感させられました。
あとは,「心惹かれる候補者」が現れることですが,ここが今一番の問題かもしれませんね。
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行きましたが・・・ (masa)
2007-04-09 18:30:08
 私も昨日、投票に行きましたが、いつもの通り「自・公・共以外の人」に入れました。
 こちらではこの3党の車がいつもうるさく、特に実績らしいものも残していないんで、私は最初から除外しています。
 自民もいい加減、「多数決には公明党」の殻を破らないと、支持率低下はやむなしと言われると思いますね。
 
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Unknown (滑稽本)
2007-04-09 20:15:20
いや、報道が悪いんでしょ(汗
前回の衆院選も、やる前から結果分かってたじゃん(汗
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みんなが行かなきゃ変わらない? (てるりん)
2007-04-09 21:39:04
ほんと当確の早さにはあれ?って思いました。
知事選の結果見てたら、現職の方ばかり当選してましたね?地方選でもそんな雰囲気あるように思いましたが。地元も現職しかも9期?えっ?て思いました。私どんな人なのか全然知らないのですけど。接戦だったので、投票率が上がればきっと逆転したのだろうって思いました。
投票に行かないのは入れたい人がいない(分からない)ってのもあるのではないだろうか?また全国で騒がれすぎて、うちは何の選挙なの?って混乱しそうになりました。(もう1つ別のがありそうて今回に関係ない人が来てたし)
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masaさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-04-10 00:03:32
こんばんは。
いい加減,うるさい選挙を止めてほしいですね。
でも,法律上,できる選挙運動がうるさい選挙という不条理な状態になっています。
まずは,こういう点から改めていくことが大切なのですが,残念ながらまだまだそこまで国会が動いていないようですね。
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滑稽本さま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-04-10 00:04:53
こんばんは。
世論を作ったのはマスコミです。そのマスコミを配下においているのは,**党です。
そりゃ強いはずですよねえ。
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てるりんさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-04-10 00:07:30
こんばんは。
地方選挙は,かつては「土建屋組織」を中心とする組織選挙だったことから,つきあいも含めて投票する人が多かったですが,今はやはり土建屋組織が動けないという点から,組織票も義理票も減り,投票率が低下しているのかもしれません。
いずれにしても,まずは「政治をきれいに行う」ことこそが,有権者を投票に呼び戻す大きなチャンスだといえますね。
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