<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

草叢に秋の虫が鳴いている。

2023年09月02日 18時20分10秒 | Weblog

有り難い有り難い。生きているのが有り難い。今此処でこうして生きているオレ様がいる。これが有り難い。有ることが難いのに、有り得ている。何がどうなったので、こうなっているのか、それは分からない。分からないけれども、こうなっている。有り難い有り難いを言うしかない。

いつかしかし、それを言えなくなる日が来る。必ず来る。此処でこうして生きているオレ様が、消える。それを止める手立てはない。観念をするしかない。しかし、その日その時までは有り難うが成立している。それでいい。その日までそれが有り得たことを感謝することにしよう。

9月2日の夕暮れが来ている。夕闇の中で、韮の花が一列になって白く咲いている。草叢に秋の虫が鳴いている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

即興詩 「櫨が熟れて行く」

2023年09月02日 08時25分26秒 | Weblog

即興詩 「櫨が熟れて行く」

 

ここまでがわたし/だと/思っている/ここまでのこことは/肉体の範囲だ/そこをわたしの国境だと思っている/

ところがそうではない/そうだとしている間は/そうだけど/そうではないとしたら/そうではなくなる/国境が消える/

わたしの境目がなくなってしまう/小さかったわたしが大きくなる/ストップを掛けない限り/どんどん大きくなって行く/

わたしが大きくなると/その分/そこの中にいる心臓が大きくなる/こころが大きくなる/安堵が大きくなる/落ち着きが大きくなる

秋になった/山も秋になった/櫨が色をつけだした/風景が赤くなって熟れて行く/熟れて行く秋の風景までが/わたしになっている

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今朝の即興詩 「ケチ権三郎」

2023年09月02日 07時59分30秒 | Weblog

今朝の即興詩 「ケチ権三郎」

 

権三郎はケチだ/ケチはケチでも/最上ランク級だ/出すもの出て行くものを嫌う/とにかく渋る/ご妻女殿が偉い/ケチのその権三郎を立てている/切り詰められた暮らしのはずなのに/それでやりくりしている/夫婦ふたりの会話にトゲを入れない

会話にトゲを入れないって/普通の人には難しいことだけど/ご妻女殿は難しいとしていない/そこが非凡だ/「艱難汝を玉にす」の諺通りになっている/権三郎のケチのせいだこれは/ケチの副産物だ/ご近所がそれを知って差し入れをくれる/

こしらえた味噌をくれる醤油をくれる/秋になれば栗をどさっと運んで来る/くれる分には権三郎は文句を言わない/にっこりする/権三郎のにっこりを見たご妻女殿も/ほのぼのとする/美しい顔になる/世の中よくしたものである/暗いはずなのに光る/光る物が必ずそこに生まれている

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

星がきらきらしている

2023年09月02日 07時30分04秒 | Weblog

今朝のおれの即興詩 「星がきらきらしている」

 

死んで行くんだもんなあ/いなくなってしまうんだもんなあ/おれが此処からいなくなってしまうんだもんなあ/探すだろうなあ/落ち葉の下まで探す/そこにもいない/あっちに行く/あっちへ行ってまた落ち葉を掻き分けてごそごそ探す/探してももいない/いよいよおれは途方に暮れる/

最後の最後に思いついて/生きていた頃に好きだったあの子に声を掛ける/するとあの子が霧の中に出て来て/にっこりする/バイバイをする/無言で手を振る/すると不思議なことが起こる/蒼白だったおれの顔が明るくなる/火が灯った提灯のようになる/ああよかった/そう呟いておれは消える/

あたりが静かになる/おれは消えたのに/消えないものがある/提灯のようなものが灯っている/火が灯っている/明るくなっている/星空が見える/満天の星がきらきらしている/星がおいでおいでをしている/おれは死んで消えて行ってしまったはずなのに/星がきらきらしている

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする