「時間を潰(つぶ)す」とか「時間が潰れた」などというけど、あれ、時間が、これを聞けば、気を悪くするよね、きっと。「もうあんたにはあげない」と言いたくなるよね。
生きている者にしか、時間は与えられていない。死んでしまったら、時間は、一分一秒たりとも、もらえない。だから、貴重なはずだ。値打ちがあるはずだ。
それを「潰す」だとか、「潰れた」だとか言う。まるで不要品みたいな扱いだ。いかん、いかん、これじゃいかん、と言った後で後悔する。
時間が有り余っているわけではない。雲のようにムクムク湧いているが、片っ端から消えてなくなっている。
時間はすべての人に平等に与えられている。それを生かすか殺すかは、本人次第だ。
夢中になっていたら時間はあっという間だが、何もしないでぶらぶらしていたら、時間は駄馬の如く、蝸牛の進むが如く、のろのろして、遅い。
時間様が、「ありがとう」「大事に使ってくれてありがとう」「あなたにあげてよかったよ」「ぎんぎんぎらに輝いているよ」を言ってくれるようでありたいものだ。