宝物を持たないと、持たないことを悩む。けれど、じゃ、持ったら、もう悩まなくていいようになるかというと、どうもそうでもないらしい。やっぱり、それはそれで、悩むらしい。
大金持ちは悩んでいないか。いや悩んでいる。なったことがないから、推測だけど。失いはしないかと悩むことになる。そのはず。
小さく持っていれば、では、悩みも小さくていいか。それもそうとは限らない。精一杯悩んでいる。大きく持っている人は、大きく悩むことになる。精一杯悩むことになる。
じゃ、どうしたらいいんだろうね。悩むというのは、持っている宝物の大小に因らないようだ。
所有している宝物に我が心を煩わされている。あればああるで。なければないで。
所有というのは、だから、その取り扱いがとても難しいのである。それで左右されてしまう。揺らされてしまう。こころまで奪われてしまう。
独り占めしようという企みがあるようだ、誰にでも。それがうまく行った人と行かなかった人とに、結果が分かれるが、根本はその独り占めの欲望のようだ。
欲望を檻に入れておく。ライオンやトラを檻に入れているように。欲望の調教をやっておかないと、欲望は暴れ出す。唸り出す。攻撃してくる。
欲望の調教は難しい。足るを知るということがない。無際限に追い掛けてしまう。
欲望は楽しみをくれるが、苦しみ悩みもくれる。
欲望に束縛されない生き方というのはないのだろうか?
束縛されない生き方がありそうにも思える。
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結論に至り着かないが、今日はそんなこと考えた。持てる悩み、持てない悩みということを。