マントラを唱える。おんびせいしゃらじゃやそばふぁ。
これは薬王菩薩様をお呼びする真言マントラ。
これで出遭いが成立する。二人になれる。向き合って話をする。
挨拶をする。声を掛ける。声を聞く。聞いたつもりになる。
娑婆世界を抜け出して、仏道という仏さまの世界に来て遊びたいときに、こうする。
一人になりたいときにこうする。そして薬王菩薩とふたりになる。なったつもりになる。
薬王菩薩のもう一つの名は一切衆生喜見菩薩。ご修行の末に、あらゆる衆生を喜び迎えることができるという神通力を得ておられる。
で、この老爺のわたしも出迎えてもらえる。にこにこにこ、と。そしてハグをしてもらえる。
わたしは火を抱いたように熱くなる。太陽を抱いたように全身光になってしまう。
おんびせいしゃらじゃやそばふぁ。今日の日、健康を授かっていることのお礼を述べる。
生きている今に、こうして仏陀を思っていられることの、感謝を我が身にあふれさせる。