台所の妻の夕暮れ 里芋を剥く手しきりに痒がって呼ぶ 薬王華蔵
里芋を剥くのは痒いのです。手指は真っ黒になっています。まだ小さいのがたくさん残っています。わたしを呼ぶのは助けが欲しいからです。わたしは寝椅子に転がって読書中です。あたりが暗くなってきました。鍋には湯が沸いています。妻を歌の被写体にしました。
台所の妻の夕暮れ 里芋を剥く手しきりに痒がって呼ぶ 薬王華蔵
里芋を剥くのは痒いのです。手指は真っ黒になっています。まだ小さいのがたくさん残っています。わたしを呼ぶのは助けが欲しいからです。わたしは寝椅子に転がって読書中です。あたりが暗くなってきました。鍋には湯が沸いています。妻を歌の被写体にしました。
里芋を剥く真っ黒な妻の手のようやく止まる里の夕暮れ 薬王華蔵
台所に秋が来て夕暮れとなっています。今夜は里芋料理です。畑で掘ってきた小さな里芋があります。無言で剥いていた妻の手が真っ黒になっています。手がようやく止まりました。白くなった里芋が幾つも幾つも転がっています。あたりはもう暗くなっています。里は静かです。
雨が降っているようです。雨の音がします。土砂降りではないようです。真夜中12時を過ぎました。もうやすみます。
8時からずっと短歌を作っていました。うんうん唸って唸って、30分掛かって、1首が生まれました。中々難産です。それでも満足には至りません。疲れました。神経が興奮してすぐには入眠できないようです。