世界バレーボール選手権大会三次リーグ、中田監督率いる日本女子チームは、今夜の対セルビア戦で、続けざまに3セットを取られて敗れた。ガックリ。次のイタリア戦で負けると準決勝進出の望みが潰え去ることになる。セルビアチームの両エースボシュコビッチ選手、ミハイルビッチ選手の攻撃力は凄まじかった。日本にも彼女らに負けず劣らずの優秀な選手が続々と輩出しているけどなあ。次のイタリア戦を期待しよう。
夕方から畑仕事とをした。椅子に座りながら、少しずつ少しずつスコップで土を掘って、畳三畳くらいの広さの畑を耕した。硬かった土が軟らかくほぐれた。休み休みしながらだったが、草臥れた。牛糞や有機石灰を加えた後でそうするべきだった。後で気が付いた。ボンヤリしてるなあ。
その後も、畑にとどまってアレコレアレコレをした。するべき点を見出して、日が暮れてしまうまでチョコチョコ仕事をした。発芽した後すくすく育っているラッキョウ畑の草毟りもした。チンゲンサイや小松菜の種蒔きもした。水撒きもした。満ち足りた。土に触れているとこうなる。単純だなあ。
里中の畑はいつもひっそりとしている。ここにいて畑仕事をする。手を休めて空を仰ぐと、秋の空をいろどる雲もひっそりとしているように見える。八天山も城山も自足して静まりかえっているように見える。賑やかな、大袈裟な生き方は要求されていないのではないかと思ったりする。大成功などと威張っていなくてもいいはず。自足して、つまり己の立ち位置に満ち足りて、ひっそりと生きていられたらそれでいいようだ。
４
早くすんだらまた畑に行って、日没まで一人無言で農作業をしよう。人と交わるよりもこれが楽だ。「サラダ用の匂いがいい牛蒡」の種を見つけて買って来ているから、この種蒔きをしよう。畑は家族の若い者に小型トラクターで深く耕して、畝を盛り上げてもらっている。果たして秋が深まった今この時分に種蒔いて、牛蒡が芽生えるかどうか不安だけど。
里中の畑はひっそりとしている。秋の雲もひっそりとしているように見える。ひっそりと生きていられたらいい。
３
我が輩はものごとすべてに対して万事、積極派ではないから、こちらから人の中に入って行って、打ち解けて、場の協調性に馴染むということがない。人の前に立ちたがらない。こっそり隠れたようにしているのが性に合う。わいわいがやがやを楽しまない。頑なだ。これはいいことではない。打ち解けてその場に馴染んだ方がいいに決まっている。何十年も生きて来ながら、まるで進歩がない。老いて益々この悪癖が極まる。
２
戸数が８０戸もあるので、日頃は互いに交流がなくても、此処ではそれができる。話が盛り上がる。役員たちの努力によって、アトラクションも沢山繰り込まれている。公民館前の２面の大広場で行われる。テントの中に椅子が用意されている。外では青年たちの手によって焼き肉と焼き蕎麦が振る舞われる。こどもたちが元気に走り回る。音楽が鳴る。缶ビールを含む飲み物も飲み放題だ。３時で終了する。もちろん我が輩も此処に参加する。
１
１０月１４日、日曜日。快晴。秋の空が澄み渡っている。今日は我等が城原集落の祭。「きばる祭」 城原は「じょうばる」と読むのだが、これを「きばる」と読ませて、元気を涌かす意味の「気張る」にかけてある。老いも若きも住民みなが集まって来る。コモドもたちの元気な顔も見られる。まあ、言ってみれば集落全体の親睦会だ。よりを戻せる。公民館が主催する。
大根葉を間引きして来た。片手では握りしめられないくらい。肥料がよく効いて青々青としている。匂いもくんくんとして鼻をつく。
白い根もそろそろぷくりとしだしている。これをまるごと一夜漬けにした。しっかり塩漬けにされたのを刻んで、鰹節を載せて醤油を垂らして、湯気の出ている白いご飯にこれを掛けて食べたらおいしいぞ。
秋が深くなった。秋が深くなるはずだ。大根が畑の畝にすくすくと育っている。幾畝も幾畝も。これだけすくすくと育っているともう虫も食えない。
春菊の種を蒔いておいたら、ドッサリドッサリ発芽した。発芽率百％。蒔いた一角が青々としている。元気よくそよそよと風に戦いでいる。見事だ。見事を見ている。
みんなそれぞれしっかり根を張っている。みんな大きくなるだろう。若い内にどんどん間引きをして食べてやろう。そうしないと、此処はたちまち過密都市になってしまうだろう。
人様にお分けしてやろう。食べていただこう。春菊は美味しい。若い春菊はなおさらなおさら美味しいだろう。鍋物に入れたり、すき焼きに加えたりしていいだろう。
羨ましがるなよ。そんなに人を羨ましがるなよ。どんなに羨ましがっても、わたしがその人を生きられることはない。わたしを生きているのはわたしである。その配役を、わたし以外の人に置き換えることはできない。そうしようとするのは、だから、畢竟、無駄な労力だ。置換はできない。他者を己に迎える努力は空を切るばかりだ。
羨ましがるなよそんなに。人の才能を羨ましがるなよ。人の幸福を羨ましがるなよ。人の裕福を羨ましがるなよ。おい、この羨ましがり屋さん！ 空を切って寂しがる寂しがり屋さん！
己こそが己の主人。己の主人業務の第一人者。これをやるのは常に一人しかいない。一人ならば、最高も最低もない。己を生きている第一人者を軽蔑するな。軽んじるな。蔑んだ目で見るな。己の愚昧の目でもって己の尊厳の峯の高さを磨り減らすな。
