踊り子草が踊っている。名の通りだ。春の山里の少女たちの素人歌劇団。ピンクのスカートを春風に膨らませている。踊っているのはワルツだろうか。ジルバだろうか。いやもっと情熱的なフラメンコかもしれない。オドリコソウは雑草である。我が家の垣根に繁茂している。子供の頃には花蜜を吸った。甘い香りがする。もちろん虫たちも集まって来る。草丈は30cmくらいだろうか。野山に自生する。逞しい。雑草はどれもそうだろうが、繁殖力が強い。草藪の一隅を占領してしまうほどだ。
今日はこの花の一群に目が止まった。いつもは目もくれないで通り過ぎてしまうのだが、今日は足が一時停車をした。歌劇団の春の定期公演を鑑賞したくなった。