多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

薬との付き合い方

2019-02-02 10:02:27 | 発達凸凹
私や家族の、薬との付き合い方について。


現在一番 薬を服用しているのは 当然のことながら、私である。


持病が多いので、仕方がない。


かつては 一日 34錠服用していた。


それぞれの病気の 主治医と、薬剤師が、


飲み合わせに細心の注意を払いつつ、治療に必要な最小限の処方に


抑えようと努力してくれていたが、それでも病状が悪い時は


その数を服用するしかなかった。


多くの主治医が、状態を良くして、減薬ができるよう考えてくれた。


神田橋條治先生もだが、かかりつけ医も同じ方針の医師が多かった。


私の 病状が 重かった頃、精神科の主治医から入院を勧められた。


私は 老人介護と育児を抱えていた。医師は私の心身の負担を軽くするためだと、


再三勧めてくれたが、私は 介護と育児を人に任せられる状態ではなかった。


私の通院時間を確保する事も 容易ではないのに、入院期間、


家事育児介護を 24時間任せられる人はなく、施設も近くにはなかった。


入院を渋る私に、主治医はこう言った。


「入院が一番いいんだけど、不安抱えたまま入院して、悪化しても困るしね。


強い薬だけど、精神的に落ち着かない時で、ここに来るのも難しい時、


頓服として 使って。本当は使いたくないけど、通院での治療がいい、っていうなら


これを使うしかないと思います。」


処方されたのは リスパダール。不安が強い時、イライラして物に当たりたいような時、


使うと確かに落ち着いた。


主治医は 受診の度に 私の様子を診て、「リスパダール、いくつ残ってる?どんな時に使った?」と


確認し、最小限の数を処方してくれた。


リスパダールの使用回数が減ると、「調子がいい時は、リスパダールじゃなくて


これを使って」と他の薬を出してくれた。「こちらの方が作用は弱いけど、副作用が少ないし


肝臓や腎臓にも負担がかからないから」


そうした治療を続けてくれ、リスパダールの処方は無くなった。


抗不安薬も、処方されなくなった。


てんかんの薬は 必要だけれど、他の薬は最小限しか使わない方針の医師。


血液検査を 定期的に行い、腎機能や肝機能をかならずチェックしてくれる。


「検査の結果、内科の先生や他の先生にも見せてね」と結果をプリントして渡してくれる。


先日の受診で、長く処方されている薬を、初めて減薬した。


「これ、朝夕飲んでもらってるけど、調子がいいから夕方だけでいいと思う。


次回 また判断するけど、減らして様子見ましょう」と言ってくれた。


ただ今 減薬中。大きな崩れは無い。調子が悪いかな、という日もあるけど、


減薬のせいなのか、様子を見ようと思う。沢山の科を受診しているが、


調子が良くなり、薬が減っていくのは嬉しい。


34錠の時代を思う。神田橋先生に減薬の相談に行き、


「これだけ(大量に)飲んでいると(減薬は)難しいねえ」とおっしゃりながらも、


お薬手帳に チェックを入れて下さり、漢方薬を処方して下さった。


春ウコンを勧められ、その後しばらく飲んだけれど、そのうちにいらなくなった。


漢方薬も、口にあわなくなり、止めた。難しいと言われた減薬も進み、


今は 一日16錠である。他の人に比べたら多い量だけれど、


複数の持病があるからと納得している。


34錠の時代を思えば 減らせた事がうれしい。今後も努力しようと思う。 


わが家で 今 薬を服用しているのは、夫である。


年末の病気の治療が順調で、投薬も無くなり、「何かあったら来て下さい」と


言われ、その病気の治療も一段落した。以前から かかっている病院での


投薬は続いているが、薬の量も増えていないし、病気も悪化していない。


順調である。


長男は 虚弱で、アトピーと喘息の治療が長く続いた。


喘息がひどく、大きな発作を何度も起こした。気管支が狭まり、呼吸ができなくなったら


窒息死である。調子がいい時なら 体力作りにも 体質改善にも取り組めるが、


大きな発作の時には まず呼吸ができるようにしないと 死が待っている。


強い薬も、命には代えられない。悠長な事は言っていられない。


かかりつけ医が匙を投げ、他の病院に搬送された事もある。


搬送先でも、「ここまで処置をしてて まだだめとは・・・」と医師団が首をひねった事もある。


薬を使わないのがベストだが、そんな状態ではなかった。


喘息の発作の回数が減り、発作の規模も小さくなっていった頃、発達障害の診断が下りた。


思春期でもあり、学校での様々な出来事と重なり、不登校になった。


生き生きしていた顔に陰りが出て、目に光が無くなった。


同じ時期に 診断がついた自閉っ子と二人、遠くの病院に数か月に一度通った。


学校への文書や診断書をもらいにである。


医師は それぞれの子と面談し、長男に抗うつ薬とてんかんの薬を勧めた。


その抗うつ薬は、私も使った事がある。薬を飲むかどうか、 子どもに判断を任せた。


長男は「飲む」といい、処方してもらい、支払いをして帰った。


状態は改善しなかったが、私は 長い時間長男が経験してきた出来事を思い、


「他の子どもがしなくていい嫌な経験をしたのだから、今は休息の時かも知れない」と


思った。


それからも 様々な事があったけれど、長男は元気を取戻し、自分で望んで高校に進学をした。


ブランクを取り戻すのに時間がかかるかと思ったけれど、生き生きと学んで、遅れを取り戻した。


後から わかったのだが、長男は 処方された抗うつ薬を一度も飲んでいなかった。


てんかんの薬はきちんと飲み、効果が出て、数年後脳波に異常がなくなり、


薬は必要なくなった。学校にも戻り、発達外来とも縁が切れた。と言うより


本人が 「もう必要ない」と自分で切った。


「そうなんだ。ルボックスは飲んでなかったんだね。」


「うん。全部飲まずに捨ててた。」


「わからなかった。どうやってたの?」


「薬が見えないように 色つきのポリ袋に入れたり、お菓子の空き箱に詰めたりして捨てた。」


「飲みたくないのに、なんでもらってたの?」


「先生がうるさく理由聞くだろうし、話すの嫌だったから」


「そうなんだ。知らなかった」


当時は 長男の年齢では、医療費の助成はなく、窓口での会計は我が家には大きな負担だったけれど、


最後には良い結果が出たので 良かったと思う。


それ以降、定期的に服用している薬はない。


次男は 喘息も 長男より軽く、結果として薬を使う事も少なく、


自然に 発作の回数が減り、病院に行く事もなくなった。


睡眠障害があり、睡眠導入剤を勧められた事もあったが、一度も使うことなく、


睡眠障害もパニックも自傷行為も治った。


命に関わる病気や、患者の生活レベルの維持、あるいは向上のために


薬を使う事はあっていいと思うが、薬の効能や副作用を患者や家族が把握し、


納得の上で 使う事が 一番いいと思う。


特に 小さなお子さんや 高齢者は、御家族が毎日心身の様子を見て、


薬を飲む事で マイナスの事態にならないように、気をつけて言って欲しいと思う。


自分で選んだ事ならまだしも、知らずに飲ませられて後で後悔する事がないようにと願う。









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