多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

佐々木正美先生との10年間

2017-06-29 03:15:07 | 秀でた人
私と亡き佐々木正美先生との出会いは、



2007年5月13日の日曜日のことでした。名古屋に講演に来られた


先生に、私が 質疑応答で お尋ねしたところ、



先生は 私の 姿や 言葉から


私が 自閉症という事を 見抜かれ(当時は未診断でしたが)


私の 質問に 答えて下さったあと、ロビーで


「あなたは 自閉症、たぶんアスペルガーだと思うので、


クリニックで 診断を受けたほうがいい」という事や


「あなたの 行動や 考えは非常に 興味深いので、


今後もできれば 関わりをもちたいがいいか」という事を


話してくださいました。


その後 すこし 戸惑われつつ、


「あなたの質問は 非常に いいものなので、参考になりました。


あなたからとは わからないように、他の場所で 事例としてあげたり


著書に引用してもいいでしょうか?」と おっしゃいました。


私が 「ご自由にどうぞ」と 申し上げると ほっとしたお顔で


それから 笑顔に なられました。


その後 お付き合いが始まり、


講演に ご一緒させていただき、私の話をさせていただいたり、


子育てについて 話す機会もでき、


先生との 対談や 先生の講演後に 「こよりさん、何か話すことは


ありますか?」と 言われた時などは


言いたい事をそのまま話し、



「先ほど先生は発達障害の子どもや人には具体的に言葉や


構造化を、とおっしゃいましたが、私には 時間の視覚化や


具体的な指示なく(何か 話すこと ありますか)という


視覚化できない あいまいな言葉で指示をされたので・・・(疑いの視線で先生を見つめる)」と


会場を 爆笑させ 先生を困らせ、


その後 佐々木先生の ここは 自閉症の自分としては


納得しかねる、だの あれこれ言いたい放題していましたが


先生は 「長年 学んできた 私でも、当事者の方からの本音を


伺うと まだまだだ、とこの年になっても思います」と


おっしゃり、先生の大学にお招きいただいて


お話したり、あちこちの講演に 同伴させていただきました。


ご病気になられてからも、先生は 講演活動を続けられ、


最後に お会いしたのが 2016年の3月20日でした。以前より


おやせになり、立っているのが お辛いのか、椅子でお話されていた姿と、


会場の隅でその姿を 見守っていらした奥様のお姿が 思い出されます。


私は 単独での 講演や 本の出版などで、先生とは


違う活動を するうち、先生と講演する機会は なくなりましたが、



たまにお会いする機会があると 笑顔で お話して下さった姿が 思い出されます。


佐々木先生とは 子育てに関する 考えが 大きく違うことで


別な道を 歩むようになりましたが、私を 一目で自閉症と見抜かれ、


「当事者の ご意見をうかがえるのは うれしいし 学びです」と


おっしゃってくださったことや 何よりも


私の 今の活動の 最初のきっかけは 佐々木正美先生だったと思います。


私は 先生を 「偉い方」とは 思わず 違うなあ、と思ったら


失礼も顧みず「先生それ違うと思いますが」と 申し上げていたのですが


先生は 「今日も 良い学びをしました」とにこにこしていらして、


御不快な御顔というのは 一度も 拝見したことがありませんでした。


先生は 敬虔なクリスチャンであられ、


御子息の運営するサイトにも 「ぶどうの木」と名前を付けておられました。


「ご冥福」というのは 仏教徒が「冥土で安寧に過ごせますように」という言葉なので、


先生には 「天国で 安らかに お過ごしください」と


お伝えしたいと思います。





 









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