試したうえで

このままでも全く困らない。なくったっていい、と思える新製品、サービスがどんどん押し寄せてくる。
その思いの通り、関わらずスルーして暮らしていくうちに、いつの間にか取り残されていつの間にか不便になっている。

その最たるものはパソコンだった。
パソコンを、「本当に」必要としている人なんてそんなにたくさんいるわけがない。高速の演算処理装置、大容量の記録媒体。
20世紀の終わりごろから急速に普及し、当時自営業をやっていた自分も導入したが、表計算ソフトの使い方をマスターするより、昔ながらのやり方で帳簿につけて手計算のほうがよっぽど早かった。コンピューターの世話になるほどのデータ量を、個人が抱えてることはまずない。これは今でも変わらないだろう。

あれから20年たって、パソコンが使えないと就職などでも不利になる。デジタルディバイドの向こう側に置いてきぼりにされるようになった。
新しく出てくるものを、自分には不要である、との理由だけで拒絶するのは、結果的に非常に損だ。

あたらしいモノのほうがよい、とは限らない。だが、試してみたうえで判断しなければただ老化していくだけだ。
受け入れるのも、拒むのも、試してみてから判断しなければ、と思っている。