負の付加価値

付加価値を生産する対価として報酬を受け取るシステムがうまく機能していることは、ざっと世の中を見渡せばわかる。自明、と言っていい話だ。一方で、負の付加価値を生産しても金銭的な対価は受け取ることが可能だし、場合によってはその方「儲かる」ことがある。そこがこのシステムの問題点だ。金銭だけを価値観の主軸としてはならない理由もそこにある。
そして、負の付加価値を生むものが社会の中に一定の割合で存在することも、事実として認識しておかなければならない。さらに、一人の人物が正負両方の付加価値を生んでいることも珍しくない。
「こんなことをして何になるのか」という問いを、いったんは休止しないと実社会に適応しにくくなるが、完全に忘れ去る者ばかりでは世の中が劣化していく。素朴な問いを完全に消去するのは良くない。