知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

発明の成立性を否定した事例

2013-03-10 18:11:44 | 特許法29条柱書
事件番号 平成24(行ケ)10298
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成25年01月21日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 芝田俊文、裁判官 西理香,知野明
特許法2条、特許法29条柱書

3 審決の理由
 審決の理由は別紙審決書写しのとおりであり,その要点は,①本願は,発明の詳細な説明の記載が特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない,②本願推進装置は自然法則を利用したものではなく,特許法2条にいう「発明」に該当しない,というものである。
・・・

第5 当裁判所の判断
 当裁判所は,本願推進装置は自然法則を利用したものではく,特許法2条にいう「発明」に該当しないものであるとした審決の判断に誤りはないものと判断する。

1 自然法則の利用性について
・・・
(2) そこで,本願推進装置が運動量保存の法則に適合するものであるかどうかを検討する。
・・・
 そうすると,本願推進装置は,静止している状態と,縦軸回転軸の軸芯に沿って上方又は下方へ移動している状態とで,運動量が変わっていることは明らかである。
 したがって,本願推進装置は,運動量保存の法則に反するものである。
・・・

最新の画像もっと見る