知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

発明と特許発明

2006-04-21 22:08:45 | 特許法29条柱書
事件番号 平成15(行ケ)170
裁判年月日 平成16年02月23日
裁判所名 東京高等裁判所

(注目判示)
特許法は,同法2条1項において,上記のとおり「発明」の定義を定めているが,これとは別に,同条2項に「特許発明」の定義規定を置いていることからみると,同法2条1項にいう「発明」は,必ずしも特許要件を備えるほど高水準のものに限られないことは明らかである。したがって,同法2条1項は極めて一般的な概念規定と解すべきであり,同法29条1項3号の「発明」に関していえば,当業者が,刊行物に記載されている技術的思想の内容を理解して容易にその実施をし得る程度に,当該技術的思想の内容,すなわち,その構成が具体的に開示されているものと認められれば足り,必ずしも特許要件を備えるほど高水準のものであることを要しない。

(感想)
 実用新案登録公報の引用例が「発明」に当たらないから引用できないとの主張を採用したなかったもの。
 発明のレベルは、
 特許発明>発明のうち高度のもの>発明
であることを明示した判決。ちなみに、特許法2条2項は、
 「この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。」
となっている。

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