知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

審判官による審理判断が違法と評価される場合

2010-08-24 22:15:25 | Weblog
事件番号 平成22(ワ)5728
裁判年月日 平成22年07月29日
裁判所名 東京地方裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 民事訴訟
裁判長裁判官 阿部正幸

(2)上記②の点について
 特許庁審判官による特許異議申立てに係る審理判断が(国家賠償法上)違法と評価されるのは,当該審判官が付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したと認め得るような特別の事情があることを要すると解すべきである。
 本件において,上記特別の事情があることを認めるに足りる事実の主張立証はない。

・・・

2 また,被告の上記行為は公権力の行使に当たる国の公務員がその職務の執行として行った行為である。公権力の行使に当たる国の公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には,国がその被害者に対して賠償の責に任ずるのであって,公務員個人はその責を負わないものと解すべきである(最三小判昭和30年4月19日民集9巻5号534頁,最二小判昭和53年10月20日民集32巻7号1367頁等)。この点においても,原告の被告に対する損害賠償請求は理由がない。

最新の画像もっと見る