知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

顕著な効果を主張する例-同じ技術思想の延長線上の場合

2007-10-06 22:45:16 | 特許法29条2項
事件番号 平成19(行ケ)10006
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年09月27日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 中野哲弘

『これに対し,本願補正発明は,引用例1発明と比べて,さらに,使用するすべての原料を脱酸素状態とする(相違点イ),また,コーヒーを充填する前の容器内を窒素ガス雰囲気にして実質的に脱酸素状態とする(相違点ロ),というものであり,引用例1発明よりも,さらに脱酸素を徹底させるというものであるから,それに応じて,品質劣化の抑制,まろやかな味,入れたての香りの点で,より優れた効果を奏するであろうことは,容易に予測しうるところである。したがって,本願補正発明が引用例1発明に比し進歩性があるといえるためには,本願補正発明に単なる脱酸素の効果とは異なる顕著な効果が認められなければならない
・・・
本願補正発明における効果がより優れたものであると認める余地があるとしても,これが予測の範囲を超えた顕著な効果を奏するものであるとまでは認め難い。』


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