知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

「・・・inside」という商標の構成

2012-04-07 23:30:40 | 特許法その他
事件番号 平成23(行ケ)10323
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成24年03月28日
裁判所名 知的財産高等裁判所  
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 滝澤孝臣

1 取消事由1(本件商標が商標法4条1項15号に該当しないとした判断の誤り)について
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 原告は,引用各商標における自他商品の識別性を有する商標の要部の一つは,「・・・inside」及び「・・・INSIDE」との表示形式であり,本件商標の「KDDI」「Module」「Inside」の文字を順に上から下へ積み重ねた態様は,「・・・INSIDE」との表示形式と共通しているから,「・・・インサイド」という共通の称呼が生じ,商品の出所に混同を生じるものであると主張する。

 確かに,引用各商標を構成する「intel inside」との文字が原告又は原告製造に係る製品の表示として広く認識されていることや,テレビ媒体等で使用された「インテル,入っている」というサウンドロゴに接した者は,「intel」の語と「inside」の語との結び付きを強く印象に残すものであることなどからすると,「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した「・・・inside」との表示形式を有する商標に接した者は,当該商標と引用各商標との構成それ自体の共通性を想起し得ることは否定することができない

 しかし,原告は,本件商標の登録出願前では,平成12年3月15日にコンピュータとコンピュータソフトウエアの使用等を指定役務とする「THE JORNEY INSIDE」との商標を出願しているものの(甲50),他に「intel」の文字に代えて,他の文字と「inside」の文字を結合した表示を使用した事実は認められないこと,また,「inside」の文字は,「内側の,内部の」等の意味合いを持つ,一般的な語であり,「intel」以外の文字と結合させることも含め,多様な用法が想定できることからすると,「intel」以外の文字と「inside」の文字を結合した「・・・inside」という商標の構成が,当該商標が使用された商品又は役務が直ちに原告の製造に係る商品又は役務であると誤信するおそれを生じさせるほどの強い出所識別機能を有しているとまでは認められない
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