知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

基本的な解決課題と付加的な解決課題

2011-10-16 20:09:27 | 特許法29条2項
平成23年9月28日 平成23年(行ケ)第10002号
審決取消請求事件
裁判長 飯村敏明

 上記のとおり,補正前発明と引用発明とは,基本的な構成及び解決課題を共通にするものであって,同解決課題を実現するために補正前発明の相違点A,Bに係る構成を採用することは,当業者において,何ら困難を伴うものではなく,容易に想到し得るというべきである。

 原告は,補正前発明は,「・・・という問題点を有していた」(上記(1)ア の段落【0035】)との解決課題をも有し,引用例には,上記課題についての開示も示唆もない旨主張する。
 しかし,補正前発明が,引用発明と共通する解決課題のほかに,付加的解決課題をも有していたとしても,本件においては,引用例に接した当業者において,補正前発明の相違点A,Bに係る構成を採用するに当たり,そのことの故に困難であるとする根拠とはならない。原告の上記主張は,採用の限りでない。

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