事件番号 平成20(行ケ)10377
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成21年10月28日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 飯村敏明
(2) 判断
上記で認定したところによれば,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,動物において,不妊や乳腺炎や肝機能障害との関係が知られ,人間への同様の影響が指摘されていたものである一方,用量を適切に考慮すれば癌にも奏功するなど,人間の種々の疾患に対して有用な生理作用を奏するものとして使用し得るという知見があったものと認められる。また,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,文献A8〔甲4〕の記載からみて,大豆に含まれている成分であり,本件出願前からヒトが日常的に摂取してきたものである。
これらの事情を総合すれば,本件出願当時,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,大量に摂取した場合はさておき,大豆から日常的に摂取する程度の量を摂取する限りにおいては,当業者は,人体に対して悪影響を与えるものと理解していないと解するのが自然である。したがって,本件出願当時,原告が主張するような阻害要因が存在したとすることはできない。
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成21年10月28日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 特許権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 飯村敏明
(2) 判断
上記で認定したところによれば,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,動物において,不妊や乳腺炎や肝機能障害との関係が知られ,人間への同様の影響が指摘されていたものである一方,用量を適切に考慮すれば癌にも奏功するなど,人間の種々の疾患に対して有用な生理作用を奏するものとして使用し得るという知見があったものと認められる。また,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,文献A8〔甲4〕の記載からみて,大豆に含まれている成分であり,本件出願前からヒトが日常的に摂取してきたものである。
これらの事情を総合すれば,本件出願当時,本願発明で用いるフィトエストロゲンは,大量に摂取した場合はさておき,大豆から日常的に摂取する程度の量を摂取する限りにおいては,当業者は,人体に対して悪影響を与えるものと理解していないと解するのが自然である。したがって,本件出願当時,原告が主張するような阻害要因が存在したとすることはできない。