徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

カバー写真 ~まさか翌日に大地震が…~

2019-04-12 13:48:22 | 熊本
 2016年4月13日、この日は夏目漱石が旧制第五高等学校に赴任するため、上熊本駅(九州鉄道池田駅)に降り立ってからちょうど120年の日。この年、大々的に行われた漱石記念年行事の一つとして、上熊本駅では蒲島熊本県知事や大西熊本市長なども列席して記念式典が行われ、その後、漱石に扮した俳優を乗せた人力車が駅を出発、往時の漱石来熊風景を再現したパレードが行われた。
 この時、翌日に熊本を震度7の大地震が襲うことなど誰一人知らなかった。






あの日を忘れない そして・・・2019

2019-04-11 20:38:45 | イベント
 まもなく、熊本地震発生から3年、東日本大震災からはすでに8年経過しました。風化しつつあるとも言われるこの頃ですが、熊本県立美術館分館で「熊本地震・東日本大震災報告写真展」が行われています。どの写真も観る者に圧倒的な迫力で迫ってきて、思わず涙してしまいます。多くの皆様にぜひ観ていただきたい写真展です。

 ◆2019年4月21日(日)まで ※15日は休館
 ◆熊本県立美術館分館 1F・4F


伊勢音頭余話

2019-04-10 22:52:47 | 音楽芸能

 先日7日に放送された「民謡魂 ふるさとの唄」(NHK総合)の中で「唄でめぐる日本遺産」というコーナーがあり、今回は「伊勢音頭木遣唄」が紹介された。MCを務めるTOKIOの城島茂さんは本條秀太郎さんの指導で三味線の上達目覚ましいが、今回は秀太郎師とともにこの曲にチャレンジした。
 本條秀美さんの話によると、本條流では「伊勢音頭」「別れの唄(口説き節)」「正調伊勢音頭」、この三曲を「伊勢木遣」として演奏しているそうだ。初めに「紺さん 縞さん 寄ってかんせ」という囃子言葉から始まるが、これは今回のスペシャルアレンジで、本條流の俚奏楽「伊勢土産」の中には使われているという。この囃子言葉は、留女と呼ばれた旅籠の客引き女たちの呼声を模したもの。しまいには「お寝間のお伽は十六・七と八なりと白歯がいやなら鉄漿(かね:お歯黒)つけて お金次第でわたしでも」と少々、風紀上よろしくない囃子言葉もある。「別れの唄」はこのスペシャルアレンジには含まれていないが、花童の卒業公演では毎回「別れの儀」の曲として使われている。
 下の映像は、本條秀美社中を中心とする地方の「伊勢音頭木遣唄」で、「伊勢音頭」と「正調伊勢音頭」が組曲となっている。


2019陸上シーズン開幕!

2019-04-09 17:21:48 | スポーツ一般
 いよいよトラック&フィールドの2019年シーズンが始まる。今年は2020東京オリンピックの前年ということで、例年以上に盛り上がるだろう。熊本では今月、次のような競技日程となっているが、オリンピアンを目指すニュースターの誕生が待ち望まれる。

 4月14日--------第28回金栗記念選抜陸上中長距離大会2019
 4月20日--------第29回私学陸上競技大会
 4月27・28日---2019熊本県陸上選手権兼国体一次予選

 ※会場はいずれも熊本県民総合運動公園競技場


第二回山鹿をどり

2019-04-07 23:20:17 | 音楽芸能
 今日の「民謡魂 ふるさとの唄」(NHK総合)は香川県三豊市から。「金毘羅船々」や「下津井節」など四国、瀬戸内地方の民謡のほか、三味線方を務める本條秀太郎さん作曲の「梁塵秘抄~遍路の詩~」、「梁塵秘抄~土佐路~」など盛りだくさんの内容。
 本條秀太郎さんと言えば、来月に迫った「第二回山鹿をどり」に再び来演されることが決まっています。近々、主催者からのアナウンスがあると思いますが、概ね下記のとおり。

 ◆日 時 5月12日(日)1回目 10:00開演(開場 9:30)
              2回目 15:00開演(開場14:30)
 ◆会 場 山鹿八千代座
 ◆料 金 5,000円(全席指定)
 ◆出 演 本條秀太郎さんを始め、演奏、舞踊ともに多彩なメンバーが出演します。


昨年の「第一回山鹿をどり」より「山鹿三番叟」

平成最後の桜を惜しみながら…

2019-04-06 20:30:55 | 日本文化
 今日の熊本城周辺は初夏のような陽気の中、桜吹雪が舞い散っていた。毎年この時季に繰り返される風景だが、今年はまもなく平成の時代が終わるとあって、その寂しさも格別のような気がする。来たるべき令和の時代もまた同じように桜を愛でることができる平和な時代であってほしいものだ。ベタだけれども今日は西行法師のこの歌しか思い浮かばない。

   散る花を 惜しむ心やとどまりて また来ん春の たねになるべき(西行)


熊本城長塀前・坪井川堤

京の四季

2019-04-05 23:06:23 | 音楽芸能
 熊日新聞に連載中の「漱石氏と私」(高浜虚子)はいよいよ最終章、明治40年の春、京都で漱石と一緒に過ごした祇園の夜などを回想している。この時、漱石は、第三高等学校の校長を務めていた狩野亨吉宅に逗留し、職業作家としての初めての作品「虞美人草」を執筆中だったようだ。ちょうどこの頃、漱石を第五高等学校に招いた菅虎雄も狩野宅に逗留していたが、狩野は漱石が五高へ招いた人でもあり、五高ゆかりの人が揃っていたわけだ。虚子は漱石を誘って、都踊りを見に行ったり、祇園の茶屋「一力」で舞妓たちと雑魚寝の一夜を過したりしている。虚子の短編「風流懺法(ふうりゅうせんぽう)」には、同じ舞妓が登場したりするので、合せて読むと面白い。「風流懺法」には舞妓たちが「京の四季」や石橋ものなどを踊る様子が描かれている。

▼京の四季
(竹中邦彦さん撮影)


「ひえつき節」の歌詞問題

2019-04-04 21:36:34 | 音楽芸能
 わが家では35年ほど前から「ファミリーニュース」なるものを発行している。各地の家族から隔月で近況などを伝えてもらい、それをまとめて新聞形式にし、家族に送り返している。今月、姉からの寄稿文の中に春の花として山茱茰(さんしゅゆ)が紹介されていた。そして解説の中に、あの民謡「ひえつき節」で唄われる「♪庭の山しゅうの木」というのはこの山茱茰のことだと書かれていた。姉に電話してその情報の出どころを確かめると知人からそう聞いたという。実はこれ、数年前にだいぶ流布していた説だが、その後、民謡発祥の地、椎葉村あたりでは山椒(さんしょ)のことを「さんしゅ」と発音することから山茱茰説は否定されて収束したかと思っていた。「しょ」を「しゅ」と発音するのは熊本あたりでも同じで、わが家の近くの「柳川小路」は公的文書にも「やながわしゅうじ」とルビがふられる。これは地元住民がそう発音していたからで、現にわが祖母などは「しょ」と「しゅ」の区別がつかなかった。ちなみに、山茱茰の木が朝鮮から日本に入って来たのは江戸時代の中頃で、この歌に歌われる平家落人伝説の那須大八や鶴富姫の時代にはまだなかったそうだ。

▼ひえつき節

2015年5月16日 熊本城本丸御殿 春の宴にて 花童くるみ(現はつ喜月若)さん

「ムーン・リバー」余話

2019-04-03 19:57:02 | 音楽芸能
 先日BSプレミアムで放送された「いだてんコンサート」で、綾瀬はるかが「自転車節」を歌った後、もう1曲歌うというので「赤いスイートピー」でも歌うのかなと思ったら、なんと「ムーン・リバー」だという。臆することもなく、カタカナ英語で歌いきるあたりは彼女らしくていい。
 「ムーン・リバー」は言わずと知れたオードリー・ヘプバーンの代表作の一つ「ティファニーで朝食を」の主題歌であり、オードリー自身も劇中、窓辺でギターを爪弾きながら歌うシーンが忘れられない。この「ティファニーで朝食を」を、熊本の手取本町にあった映画館大劇で見たのは高校1年生の時だった。オードリーの映画はそれまで何本も見ていたが、特別好きなスターというわけでもなかった。しかし、僕の2級上の高校大学の先輩に、オードリー大好きの方がおられ、だんだん僕もその影響を受けるようになった覚えがある。トルーマン・カポーティ原作の「ティファニーで朝食を」は、もともとマリリン・モンロー主演で映画化が企画されたという。モンローがオファーを断わったため、オードリーに役が回ってきたが、結局、この映画は「ローマの休日」と並ぶオードリーの当たり役となった。そして、この映画を語る時に忘れてはならないのがヘンリー・マンシーニの音楽だ。イタリア系アメリカ人のマンシーニが作る音楽は、洗練された響きの中に、どことなく「せつない」イタリア民謡を感じさせる時がある。イタリア人歌手のニコ・フィデンコなども「ムーン・リバー」をカバーしているが、なかなか味があってよい。


ニューヨークの宝飾店ティファニーの前で、デニッシュとコーヒーの朝食をとるオープニングシーン


窓辺でギターを爪弾きながら「ムーン・リバー」を歌うシーン

さくら散り始め…

2019-04-02 19:38:52 | 文芸
 さくら凍えるような寒さは弱まったものの、肌寒い一日だったが、熊本城は今日も大勢の花見客が訪れていた。しかし、時折吹きつける風に花吹雪が舞うようになった。あゝ今年のさくらももう散ってしまうのか。そんな感傷にひたっていると必ず思い出すのが大友黒主のこの歌。能「熊野」のモチ-フともなっている。

  春雨のふるは涙かさくら花 ちるををしまぬ人しなければ(大友黒主 古今集88)


北大手門-監物台付近


法華坂-住江門付近


   ▼能「熊野」をもとにした創作舞踊曲「桜月夜」

時代は「令和」へ

2019-04-01 19:16:00 | ニュース


▼典拠
 万葉集 梅の花三十二首の序文より

 初春(しよしゆん)の月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。

(意味)
 初春のよき月にして、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている。