徒然なか話

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殺生石の伝説は生きていた

2022-12-14 21:43:26 | 話題
 ネットニュースに「"殺生石"にイノシシ8頭死骸」という読売新聞の記事が載っていた。殺生石のある那須湯本一帯は地中から硫化水素などの有毒な火山ガスが噴出する地域として知られており、イノシシたちもガスを吸ったのではないかと推測されているという。まさに「九尾の狐と殺生石」の伝説は今日も生きていたわけだ。
 今から40年近く前、那須で勤務していた頃、那須湯本にあった会社保養所を度々訪れたが、地元出身の管理人さんから飲酒後に温泉に入る時は特に注意するように言われていた。風呂場の床で寝込んでしまった人が硫化水素を吸って亡くなったこともあるという。会社保養所から殺生石はほど近く何度も訪れたが、科学的知識がなかった昔の人々は不思議な魔力として怖れたに違いないと思ったものだ。


殺生石


「九尾の狐と殺生石」の伝説は能の題材にもなっており、あらすじは次のとおり。
 
 奥州から京へ上る途中の高僧玄翁が、下野の那須野の原に立ち寄る。玄翁の従者は、空を飛んでいる鳥が大きな石の上にさしかかると急に落下し、死んでしまう様子を目にする。玄翁と従者が石に近寄ろうとすると、里の女が声を掛ける。その石は殺生石といって昔、鳥羽の院に寵愛された玉藻の前という女の執心が石となったものであると教え、近付かないよう警告し、玉藻の前の物語を語り始める・・・


能「殺生石」


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