徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

後朝(きぬぎぬ)の別れ

2016-12-27 19:23:46 | 美術
 かつて西日本有数の遊郭街だった二本木をテーマに絵を描き続けた絵師・古場田博さんが6月にひっそりと亡くなっていた。
 僕は11月頃、福島竹峰さんのFacebookでそのことを知った。6月といえば熊本地震からまだ2ヶ月足らず、まだ落ち着きを取り戻していない頃。新聞の訃報欄も見落としたのだろう。作品展を何度か観に行ったことがあるが、彼が幼い頃に垣間見、そしてずっと胸に抱きつづけた紅燈の街の光と影が見事に表現されていた。彼の作品の中で僕が最も好きな作品が「後朝の別れ」。後ろ髪ひかれる思いで去って行く遊客と見送る遊女の情感あふれる朝の風景である。古場田さんはたしか僕より若かったと思うので残念でならない。
 ちなみに、二本木遊郭でおなじみの「東雲節」にも「後朝の別れ」の風情が唄い込まれている。

〽なにをくよくよ川端柳 こがるるなんとしょ
 水の流れを見てくらす
 東雲の暁の鐘 ごんとつきゃ辛いね
 てなことおっしゃいましたかね

▼後朝の別れ


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