徒然なか話

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見どころ聴きどころ ~花見踊り~

2024-01-09 21:00:28 | 音楽芸能
 今月28日(日)熊本市の国際交流会館で行われる「第57回熊本県邦楽協会演奏会」でトリを飾るのは「蓑里会・うらら会・花と誠の会」共演による「花見踊り」です。杵屋五司郎先生や杵屋六花登先生を始めとするそうそうたる地方の先生方の演奏に舞踊団花童が舞う舞台は見ものです。
 「花見踊り」とは正式名称は「長唄 元禄花見踊」といい、花見の名所で知られる上野の山の華やかな花見風景を描いた長唄です。作られたのは明治時代に入ってからですが、上野が桜の名所となったのは、三代将軍徳川家光の頃で、元禄時代(1688-1704)には、数ある江戸名所の中でも随一の人気を誇るスポットになっていたそうです。
 元禄時代といえば、近松門左衛門、井原西鶴、松尾芭蕉といった文化人を生んだ「元禄文化」の花が一挙に開いた時代。この「元禄花見踊」にもそんな豪華絢爛な時代の空気がよく表現されています。ちなみに元禄時代の肥後熊本藩は第三代藩主細川綱利の時代で、赤穂浪士の討ち入りもこの時代です。