徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

おてもやんの源流

2019-07-02 19:44:18 | 音楽芸能
 祇園橋際ポケットパークの「永田いねとチモ」像の台座に取り付けられたプレートに、「民謡おてもやんは名古屋さんざい(名古屋甚句)の影響を受けた」と記載されていることに関し、このブログの6月4日の記事で、「さんざい」とは「散財唄」のことではないかという説を唱えてみた。「散財唄」というのはお座敷でのさわぎ唄の別称のことだが、その後、名古屋甚句についていろんな文献を調べるうち、別の考えが浮かんできた。名古屋甚句は江戸末期流行した「そうじゃおまへんか節」がもとになっているといわれるが、今日では「前唄二題、本唄三題、名古屋名物」などで構成されている。このうちの本唄三題を俗に「名古屋三題」と呼ぶことがあるようで、ひょっとしたら「三題(さんだい)」を「さんざい」と聞き間違いした可能性もある。下の映像「名古屋甚句(本唄三題)」を聞いていると、名古屋巡業の際、この唄を聞いてインスパイアされた永田いねが「おてもやん」を作った気持がわかるような気がする。
 唄は水野詩都子、三味線は、先月、熊本で行われた「くまもと全国邦楽コンクール」で最優秀賞を受賞した本條秀五郎。

▼永田稲(嵐亀之助)一座の興行ポスター(五福公民館に展示)