熊本地震により熊本城の最大の特徴である石垣が各所で崩れ、熊本市の文化財専門家として著名な富田紘一さんも「熊本城の石垣は地震にもびくともしない、とさんざん喧伝してきた自分たちがまるでホラ吹きのようだ」と嘆く。それほど、かつて経験したことのない巨大地震だったということなのだろう。
この崩れた石垣を文化財として復元するためには、ひとつひとつの石を、元あった位置に戻すことが必要なので、崩落前の写真等と照合しながら気の遠くなるような作業をしなければならないという。四百年前の加藤清正公の築城に携わったとされる石工集団、穴太衆(あのうしゅう)の末裔の方の話では、石垣だけで復元に10年かかるだろうという。もちろんそれに伴う費用も莫大なものになる。また、穴太衆の石積み技術は口伝であり、築城当時の技術は現在は伝わっていないそうなので、はたして同じ形に復元できるかどうかもわからないという。
いずれにせよ、熊本地震の復旧復興は、まずは民生が先に進められ、文化財はその次になるだろうから、熊本城が元の姿に戻るのは何十年も先のことだろう。それを見るのはわれわれの世代ではないことだけは確かなようだ。
この崩れた石垣を文化財として復元するためには、ひとつひとつの石を、元あった位置に戻すことが必要なので、崩落前の写真等と照合しながら気の遠くなるような作業をしなければならないという。四百年前の加藤清正公の築城に携わったとされる石工集団、穴太衆(あのうしゅう)の末裔の方の話では、石垣だけで復元に10年かかるだろうという。もちろんそれに伴う費用も莫大なものになる。また、穴太衆の石積み技術は口伝であり、築城当時の技術は現在は伝わっていないそうなので、はたして同じ形に復元できるかどうかもわからないという。
いずれにせよ、熊本地震の復旧復興は、まずは民生が先に進められ、文化財はその次になるだろうから、熊本城が元の姿に戻るのは何十年も先のことだろう。それを見るのはわれわれの世代ではないことだけは確かなようだ。