goo blog サービス終了のお知らせ 

徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

虎の尾を踏む男達

2008-03-23 20:17:14 | 映画
 4月からBS2で放送される黒澤明監督全作品のリストを見ていたら、これだけはどうしてもすぐに見たくなってDVDを借りてきた。黒澤時代劇の原点ともいうべき作品。小学生の頃、よく学校の校庭などで行なわれていた移動映画館で観た記憶があるが内容はよく憶えていない。この歳になってあらためて観てみると、ここから「羅生門」や「七人の侍」や「隠し砦の三悪人」などが派生していったんだなぁと感慨深い。製作されたのは終戦の前後で、昭和20年9月に完成したことになっているが、GHQの検閲に引っ掛かって公開されたのは6年後だったそうだ。撮影していた時、黒澤が敬愛してやまないジョン・フォード監督が進駐軍に混じって見学に来たというエピソードが残っている。話は歌舞伎でおなじみの「勧進帳」だが、オリジナルのキャラクターとして榎本健一演じる強力が狂言回しとコメディリリーフ役で登場する。武蔵坊弁慶に扮する大河内伝次郎を始め、藤田進志村喬森雅之など風格のある男優が揃っているのも見どころだ。


榎本健一の強力と武蔵坊弁慶の大河内伝次郎