
松坂大輔がキャンプ地のフロリダに入りトレーニングを始めた。その中でアメリカンフットボールを投げるメニューを取り入れたことが注目されている。これはスローイングに必要な筋力を強化し、関節の可動域を拡げるために実に正しい選択だと思う。リリースや変化球の部分だけ野球のボールを使って後でやればよいのだ。およそ人間が手で物を投げる場合、野球のボールは小さ過ぎて肩や肘にたまったエネルギーがうまく抜けない。だから野球の選手は肩や肘を壊す人が多いのだ。プロ野球のキャンプ情報を見ているとピッチャーが1日200球投げると多過ぎるなどと言われている。一方、自分がやっていた水球のボールは大きさ、重さともサッカーボールと同じだ。水球の練習で1日200球や300球投げることはざらにあった。しかし、肩や肘を壊した人などほとんど聞いたことがない。これはボールの大きさの違いのほかに投げ方の違いにもよると考えられる。水球は水の上に浮きながらスローイングする。つまり野球のようにグラウンドに足を踏ん張れないのだ。したがって無駄なバックスイングやフォロースルーのないコンパクトで正しいスローイングができないと強いシュートやロングパスはできない。ある意味非常に合理的なスローイングが自然と身に付くというわけだ。スローイングのヘタなゴジラ松井などを見ていると、水球をさせてスローイングを矯正してあげたいような気分になることがある。