のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

プチビアガーデン

2024年06月08日 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日のことなんですけど、夕方仕事から帰ってきて、忠霊塔の上の道を倒木が道をふさいでいるのでチェーンソー持って行って切っていたんです。下の方ではドカンドカンと煙火の爆竹の音がしていたので、サルでも出たか?と思っていました。

 今日、話を聞いたらクマが出ていたのだとか。上の方から私のチェーンソーの音が鳴り響いていたので「上でも追い払っているな。」と見られていたそうですが、そんな事今しがたまで知らなかったもんで。先に言ってよ。地形を考えると下で煙火を鳴らし上で私がチェーンソーの音立てていれば、逃げ場のない熊は忠霊塔の付近にいたはずで、やばかったんじゃないかい?しかも、作業後にご機嫌で忠霊塔にお参りして帰ってきた。

 知らねぇって強いなぁ。

 今日は月に一度のキッチンカーが来る日。いつもは月末の土曜に来るのですが、梅雨入りを考慮して今月は早めです。近所の床屋さんのご厚意で納屋を改造してプチビアガーデンになるよう改装したので楽しみにしてました。

 夕方、家に帰ると恐怖の召集令状。「貴殿を一日老人会員に任命する!」の赤紙が。16日の花植え作業員に学徒出陣。忠霊塔にお参りしたご霊験か?

 堆肥とりに行ったり花も運ばにゃならねえな。花壇の草むしりして耕さねばならぬ。7時から会議があるので出席せよ!と農村のガダルカナル・公民館に呼ばれたので、プチビアガーデンで騒いでいる暇がない。

 夕方5時の開店前から来ているプロの老人会員が2名生ビールを飲んでいた。

 「おらぁその日は血圧が上がって作業に出られねぇから、俺の無念を晴らしてくれ!」「俺もその日は不整脈が出る日なのでお前さんに託すよ。」とだし巻き卵をもらいました。プロの高齢者になると持病をコントロールできるらしい。

 裁縫の先生やっていた近所の90代半ばのおばちゃんがやってきました。平日は施設にいて週末になると娑婆に戻ってくるみたいです。「長男に続いて次男も国鉄にお世話になることになったんだよぉ。ようやく手がかからなくなってよかったよぉ。」と言ってましたが、私より年上なのでとっくに定年退職しています。「とうちゃんも来ているから寄ってかっさい。」とから揚げ買って帰りましたが、とうちゃんとっくに墓の中に入っているんだけど。

 「あれ?見たことある人なんだけどおたく様はどちらさま?」と聞かれ、そこの家のと指さすと、「ああ、息子さんが結核で亡くなっちゃったんですよね。ひょろっとした子でしたよね。」え?俺死んでたの?小児結核から60年か。あの時代の記憶で生きてる人なんだな。

 「いよいよヤバイ領域に踏み込んじゃったようだな。」「でも、幸せそうでいいんじゃねぇか?」「つらいことを思い出さねぇってのは人格かな?」そうかもしれないなぁと言いながら、家の前まで同行して送り届けました。

 近年はボケとストレートに呼びますが、いにしえの人々は「中有(ちゅうう)に迷う」とオブラートに包んで呼びました。この世とあの世の境目にいるという意味ですね。

 そろそろプチビアガーデンに人が来始めるころ。会議に出なければならないのでヒレカツ弁当腹に詰め込んであとにしました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする