のどのど日記

昨日ものどのど,今日ものどのど.
明日は…?

のどマガ第91号

2012-08-31 | メルマガ・新聞

まだまだ暑さ厳しい日が続いています。体調など崩されませんように、ご注意くださいね。

さて、のどのど便り(月刊メールマガジン)第91号を配信いたしました。

今回のお品書きは…

▼心のドアを叩くもの(チダショウコ)
▼日々成長(ツキモトクミコ)
▼うねる(ドイヒロカズ)
☆ジャズフェスのお知らせ

となっております。 どうぞのどのどとご覧ください。

※新たに配信を希望される方はnodo_nodo@goo.jpまでご連絡くださいませ。

(つ:ぶどうが美味しいこの頃です)

10か月

2012-08-30 | のどのどぬ人

8月30日

映画「ピナ・バウシュ 夢の教室」を観ました。1978年に初演された「コンタクトホーフ」という作品を、14~17歳の子供たちだけで踊る、というピナ自身の発想をドキュメントで追いかけたもの。

途中で、女の子が一人で、狂ったように本気で笑いながら走り回るシーンがあって「できない!」というその子に「できるわよ。一緒にやりましょう。」と先生のジョーが静かに手をつなぐ。せーの!で走り出し笑い出す二人。何周も走って立ち止まる。「どう?」息を切らせながら、ジョーが女の子の顔を覗き込む。まだ何も言えない女の子…なぜだかぐっときてしまったシーン。

ジョーともうひとりの教師の、本当に“真剣な”関わり合いが、段々に伝わって、子供たちが変わっていく。意識も生活環境もばらばらな子供たちを、舞台人の顔つきに変えていく。ピナがどんな人なのかなんて知らなかった、という子供たちが、「やってみてよかった」「自分が変わった」と。

14歳から17歳までを振り返ると、毎日が喜怒哀楽に溢れていて、子供なりにジェットコースターのような日々だったなと思います。今思えば、目に入るもの、耳にするものすべてを吸収したくて、不安も夢も一緒くたに溢れていたような時期。その時期に、ピナやジョーと共に過ごし、愛と信頼とに守られて過ごした彼女たちのそれは、本当に本当に、宝物のような時間。

(ゆ)

雪の降る里山の夏

2012-08-27 | のどのどぬ人

8月27日 越後妻有アートトリエンナーレ@新潟

3日間の行程で越後妻有に行ってきました。一度行ってみたかったとはいえ、どのガイドブックや雑誌を見ても、いまいち全体像が把握できずにいたのでした。行ってみてわかったことは、行ってみなければわからないことがたくさんある、ということでした(苦笑)。

心に残った作品は、最初に見たときに(なんて酷なことをするんだろう…)と強烈に逃げだしたくなったボルタンスキー。実は二つの作品とも、そう思いました。後から考えてみれば、それはそれで、やはり巨大なエネルギーを作品から感じてしまったからなのかなと…。無防備に見てしまった自分の、その脆さというのか、今の自分の心の状態のようなものを、まざまざと見せつけられた気がしました。

そのほかは…と思うと正直作品よりも、作品にたどりつくまでに目にした里山の自然、手が届きそうに近い雲、既に首を垂れ始めた稲穂の黄金色、様々な顔つきをしたカフェのきゅうりたち、そういった様々な風景のひとつひとつのほうが、より心に留まったような…。こんなことがなければ、一度も訪れることのなかった場所。アートも、ここでは暮らしの、また旅の、ひとつの媒介でもあるのかな、と思ったり。

(ゆ)

さあさ、目あげて、手あげて、声あげて

2012-08-26 | のどのどぬ人

8月26日

サントリー芸術財団のサマーフェスティバルに行って来ました.

サマーフェスティバル25周年目となる今年は, クセナキスのオペラ「オレステイア」, ジョン・ケージの「ミュージサーカス」, 生誕85年記念として組まれたフランコ・ドナトーニの管弦楽作品集, 細川俊夫セレクション, そして芥川作曲賞の選考演奏会など, 魅力的なプログラムが多数.
久しぶりにドナトーニも聴きたかったのですが (大学でお会いしたときの大きな姿を思い出します. もう10年以上前のことです), 平日のライヴで叶わず…, 今日のミュージサーカスと芥川作曲賞選考会だけ聴いて来ました.

まずはブルーローズ(小ホール)を中心に行われた「ミュージサーカス」.
ミュージサーカスとは, 「musicとcircusを組み合わせたケージの造語で、マルチメディアを駆使したユニークなパフォーマンスの在り方を表している」(:パンフレット, 白石美雪さんの解説より)イベントです.
あらかじめ決められて発表されるセットリストは存在せず, 易で占われたタイムテーブルに沿ってそれぞれのパフォーマーがアクションをはじめます (学生のときに広島で行われたミュージサーカスは, ある路線を走る電車が終点に着くまで, 連なる車両の中で行われるものでした).
それはまさに同時多発的なアナーキー, …でも混沌では, ない(「混沌ではなくアナーキー」, 白石先生の受け売りですが…).

今年はケージの生誕100年/没後20年に当たるんだそうです.
そんな2012年の夏に行われたミュージサーカスは, 午後2時から7時まで, 入場無料, 入退場自由, というスタイル.
参加アーティストはピアノの井上郷子さん, プロジェクトFUKUSHIMA!の大友良英さん (福島との中継), インスタレーションの杉本博司さん, 茶人・千宗屋さん, 笙の宮田まゆみさん, 中部電力芸術宣言が印象的だった三輪眞弘さん, ギターの村治奏一さん…, などなど, すごい面々.

このイベントに千宗屋さんが付けたテーマは「即今」.
「すなわち、いまおこったことがすべてである」という意味の, 禅語なんだそうです.
あちらこちらで同時多発的に発生したアクションが, ばらばらでありながらも共生している…, そんなミュージサーカスの状況にぴったりな言葉だと思いました.
ブルーローズ中央で, 銀閣寺花方の珠寶さんが献上されたお花がとても素敵で, 一際 印象的でした (芥川作曲賞についてはまた改めて).

※写真は祐天寺・カーナピーナのカレー. 「マイルド」でも十分な辛さ!

(ド:ハンバートハンバート×COOL WISE MAN「23時59分」)

Finale 2012

2012-08-25 | のどのどぬ人

8月25日

昨日・今日と学校は文化祭でした.
暑い中, たくさんのみなさまにお越しいただき, 本当にありがとうございました.
(ブラスの演奏に続き, 昼過ぎには職員'sバンド(Shock In's)の演奏もありました. BLUE HEARTS!)

夕方からは米沢市・三條かの記念館で行われた「佐藤慈成ピアノ・リサイタル」へ.
会場は満員御礼, たくさんのお客さんで溢れていました.
スクリャービンのソナタ(3番)がとてもよかったです.
ピアノの響き(硬さ)に乗った幻影は危うく, 夏の夜の夢のよう.
きっとヨッシー自身もこの曲が好きなんだろうなぁ, という安心感もありました.

打ち上げにもお邪魔して, 気が付いたら丑三つ時….
職員バンドの練習をしたのは早朝7時.
さて, 明日(今日)は東京です.

(ド:ようやく更新したfinale (実はずっとfinale2001を使っていまして…), 快適!)

人が奏でる

2012-08-25 | のどのどぬ人

8月25日 アフィニス夏の音楽祭合同オーケストラ演奏会@山形テルサ

山形では2回目のアフィニス。今回はモーツァルトの「Ob,Cl,Hr,Fgのための協奏交響曲」K.297bと、ブラームスの「交響曲第4番」。室内楽演奏会Ⅱでの、Ob,Fgの講師の方たちがとっても素晴らしくて、この日も期待を膨らませて出かけたのですが、モーツァルトは期待通り、いえ、期待以上!

オーボエであんなに精彩に富んだ音色、そしてやわらかな弱音、出せないのですよ、普通は…それが、もうそういうことではないのでしょうね、そんなこちらの先入観を軽々と飛び越えてしまって、本当にニュアンスの豊かな、それでいてとても素直な音楽。tuttiになれば、オケの中のオーボエの音色と混ざりながらも、ほんの少し、でもあきらかに違う、きらりとした音色。そして、きちんとこちらに届いてくる…もう本当に驚きました。(いえ、もちろん他の楽器も全体も、とってもよかったのですけれども。苦笑)

アフィニスは、前回のオーケストラもとても聴きごたえがありました。室内楽は失礼ながら、やはり短時間で、普段オケ吹きの方たちに改めて室内楽をというのは、本当に日常的なそれぞれの方のモチベーションだったりレベルだったりということが、とても顔を出してくる気がして(特に管楽器)、思っていた以上の演奏というのには、まだなかなか当たれていないのでありました。とはいえレベルはやっぱり高い。再来年も、既に今から楽しみなのです。

(ゆ)

音楽寺

2012-08-23 | のどのどぬ人

8月23日

今日は学校の合唱コンクールでした.

3年生のあるクラスがうたったのは, 「もうひとつのかお」(谷川俊太郎・鈴木輝昭)より「愛」.

------

おまえが愛するとき
草も木もおまえの味方だ
だがおまえが愛するとき
誰もおまえを助けない

------

曲は旋法的なメロディを奏でる男声のユニゾンからはじまります.
牧歌的に はじまったうたは次第に絡まり出し, 合唱とピアノの掛け合い・せめぎ合いは複雑さを極めます.
とても難しいこのうたを, よく仕上げたと思います.
素晴らしい.

大勢でひとつの曲を仕上げる経験, そして同じステージに乗り拍手をいただく経験は, やはり貴重でかけがえのないもの.
その経験は大切にしなければならないなぁ, と改めて思いました.

(ド:秩父札所23番)

目が覚めて朝の光と

2012-08-19 | のどのどぬ人

8月19日

越後妻有のトリエンナーレを少し観たあと, ずっと行ってみたいと思っていた「トミオカホワイト美術館」へ行って来ました (南魚沼市, 八海山の麓にそっとある, アットホームな美術館です).

新潟生まれの富岡惣一郎は, 雪国の風景を大きな油彩画に表した画家です.
この日は「トミオカホワイトの雪流2:日本の風景に魅せられて」という企画展を観ることができました.

美術館の名前になっている「トミオカホワイト」とは, 雪国の白を描くために画家が自ら開発した油絵具の名称.
白絵具は必ず黄色く変色してしまったり, 厚く塗ると亀裂が入ったり剥離してしまったりするのだそうです.
それでは自分が思い描く雪を描くことができないとのことから, 自ら作り上げた絵具だといいます.
展示室は, そのトミオカホワイトを用いた後期から晩年にかけての大作で埋め尽くされていました.

そこに描かれているのは一面の白, 360度雪の世界….
でも, その雪があまり冷たさを感じさせないという不思議.
雪の柔らかさ, あるいはどこかポジティブなイメージをこちら側に与えるのは (その印象は雪国の絵のステレオタイプにはない種類のもの), やはりそれは白がとても明るいからなのでしょう.

見とれてしまう大作ばかり展示されていますが, なかでも「雪・信濃川」と題した100号サイズの2枚の連作が印象的でした.
吸い込まれそうな雪の白に, それでも流れる川の息吹.
柔らかな白, 全てを包み覆い隠す白….
夏の盛りに観た, 雪国の景色でした.

※帰り道, 久しぶりに上越新幹線へ乗車 (浦佐駅から).
トランヴェールの8月号には,「奥の細道」は完成度の高い紀行文で, 松尾芭蕉は現代でいうところのコピーライター的な一面があった, という山寺芭蕉記念館・相原一士さんの文章が載っていました.
同行した弟子・曾良の日記と比べて「奥の細道」は旅をそのまま記録したわけではなく, 脚色を加え道中をドラマチックに演出し, その土地の一番の魅力を分かりやすく強調している, と.
なるほど, みちのく観光大使のはしりは芭蕉だったわけですね.

※そして写真は燕市・杭州飯店の餃子.
ゴマ油と生姜が効いた特大餃子は, きっと日本一!

(ド:メレンゲ「まぶしい朝」)

Maj

2012-08-18 | のどのどぬ人

8月18日

それはそれは早起きをして, 新潟に行って来ました (でも, 酒田に帰るよりも近いんですよ, 新潟. 米沢からは2時間ちょっと).
朝4時半を過ぎると村上の空は白じんでいって, とても綺麗でした (FM山形・FM新潟と乗り継ぎ やまだひさしのラジアンリミテッドフライデーを聴きながら…).

一度行ってみたかったアース・セレブレーション.
http://www.kodo.or.jp/ec/
朝一番の便で渡った佐渡は, 想像以上に大きな島でした.
陽射しや風, 街並みなんかが少し酒田と似ている気がして, 初めてなのになんだか懐かしかったです.

着いてすぐに参加した上妻宏光さんの津軽三味線ワークショップ (伊賀拓郎さんのkeyboardも最高!), 海の近くの会場で行われたフリンジ (物事の周辺, という意味をもつ言葉なんだそうです. たくさんの出店と, ステージではさまざまなジャンルのパフォーマンス), そして迫力満点だった城山コンサート・打男のステージ(坂東玉三郎プロデュース!)….
どれも素敵な時間で, 暑さにも負けずに思いっ切り堪能してきました.

中でも印象的だった打男の太鼓は, 空気そのものを叩いているかのようでした.
打ちつけられた空気は静から動へ, 一瞬にしてその様相をガラリと変えたのです.
夏の夜, 島は不思議なうねりに包まれました.

(ド:Cinc(チンチ)「Polyphonic Poetry」より「Maj」, 口琴がかわいい)

詩とはなにか

2012-08-16 | のどのどぬ人

8月16日

教員免許更新講習というものに行っています (今日も明日も…).
山形大学まで歩いて通っていますが, 朝から暑いです.

さて, 帰り道に大学図書館に寄ったら (講義はまじめに受けてますよ), 吉本隆明コーナーが出来ていました.
そうでした, 山大・工学部卒, なんですよね.

「それは、現実の社会で口に出せば全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、かくという行為で口に出すことである。」

詩についてそう語った吉本隆明.
詩人であると同時に, 沈黙に重きを置き, その意味を発話以上に評価した吉本隆明.
「言いたいこと」と「言ったこと」がイコールにはならないことは現実世界において多々ありますが (それはバルトが指摘したとおり), 賛否はさておき彼の主張には, 文字面だけでは決して把握しきれないものがあります (原子力やオウム然り…. そして, 詩人と批評家のふたつの顔, 僕にはまったく別人のように思われます).

暑い日が続いています.
みなさまご自愛くださいませ.

(ド:今朝 起きたらバランスボールが萎んでいてびっくり (笑)! いつもどおりに座ったらものすごい不意討ちを受けました…)