のどのど日記

昨日ものどのど,今日ものどのど.
明日は…?

私のいのちは 何の歌

2011-08-21 | のどのどぬ人

8月21日

合唱の県大会を聴きに, 朝から山形へ.

ここにあるものを手掛かりにここにはないものを見せるのがアートだとすれば, 今日の鶴岡土曜会の合唱(谷川俊太郎/三善晃「その日 August 6」)はまさにそれでした.

「その日 わたしはそこにいなかった」

そこで見たのは, 低く響き渡る鐘.
そこで聴いたのは, ジリジリと照りつける太陽.

驚くほどの立体感に, ぞくっとしました.

同じく三善作品(「三つの抒情」)をうたった鶴岡北高校もとてもカッコよかったです.
合唱はやっぱり, 素敵なのです.

(ド:立原道造, 夜もなく たそがれもなく)

その物語が生まれた理由

2011-08-21 | のどのどぬ人

8月21日 バレエ「中国の不思議な役人」&オペラ「青ひげ公の城」@サイトウキネンフェスティバル松本

小澤征爾指揮、金森穣振付・演出。
Noismがサイトウキネンで踊るなんて!

ありきたりな表現しかできなくて恥ずかしいのですが、"奇跡"のような舞台でした。
穣さんは今回の舞台でも「人形」「娼婦」「生贄」という3つをキーワードにしていて、
舞台という用意された場所、ダンサーという踊らされる存在、娼婦といういくつもの意味が重なった存在、
特に「中国の不思議な役人」では、そのことが徹底して表現されていました。
それは音楽のスピード感や、圧倒的な音の厚みと軽やかさのシーソーの上で
ものすごいバランス感覚で一瞬ごとに存在しては消えていくシーンの連続。
ミミ役の井関佐和子さん、その少女性と妖艶性とが瞬時に替わる踊りは、
一瞬も目を離せない魅力がまた増していて。
歌舞伎座でいう幕見席のような4階席は、それだけでも緊張感があるのに(苦笑)
どちらのお話も、また舞台展開も息を呑む緊張感で満たされて、
終演後は「おなかすいた~」と幸せな空腹感。
サングリアを飲みながら観終わった直後は、なんとも言葉にしがたい余韻に包まれて、
夜中まで、なかなか寝付かれませんでした。
(Noismは観続けたいカンパニーと改めて思いました。)

この日は、正式な小澤さん復帰の一日目でもありました。
1曲目に演奏され黙祷で終えた「G線上のアリア」。
サイトウキネンの弦だけに純粋に耳を澄まし、3月から今までを思い出したひとときも、
忘れがたい時間となりました。

(ゆ)