なだらかなスロープより・・・飛鳥時代に築かれた狭山池(7世紀前半に作られた日本最古のため池)の地層の断面が見上げられるようになっています。こちらは、大阪狭山市(私の住む富田林市のお隣)にある、「狭山池博物館」内部です。 その 展示内容は土木遺産にまつわる貴重な展示物ということですが、私には良くわからない世界・・・ただ・・・総体的に理解できたのは、ため池築造技術の進歩が、近世における農耕地の増大の前提となるものであったようだし、その土木工事遺産として相当貴重な資料が展示された博物館のようであるということ。
2月27日、狭山池博物館に出かけてきた。こちらの博物館設計者である安藤忠雄さんの講演があったのです。テーマ「街を育てる」。
講演内容はとても楽しみに!けれど・・・池の歴史等には、さほど興味もわかずして(スミマセン!)の参加。ただただ安藤忠雄さんに会いに(逢いたい気持ち一心で!)出かけてきた。笑
安藤建築の前に立つと、建物内部への誘いの道のそれぞれの形状に・・・建物そしてその展示へと高まる期待感を抑えきれなくなる。その心の高まりは・・・ダイナミックな建築物であろうと・・・こじんまりとした建物であろうと・・・どの建物を前にしても、ほぼ関係なく起きる。それは安藤建築に裏切られることが絶対にないという確信があるからでなく、すでにそこに、甘やかされない厳しさがあったとしても、何かしらの安堵感に包まれているような・・・それをいつも建物の前で感じることができる事に違いないからと、このごろ思えるようになってきた。
それは、自然界における感動を覚える時の・・・それと似ているような・・・
その感覚が起きることを実感したいがために・・・安藤建築に、じかに触れてみたいと思う時が、ある。
我が家より徒歩圏内で訪れる事の出来る狭山池博物館。実は幾度となく池周辺を通りながらも、この9年間一度も博物館を訪れたことがなかったのです。 平成13年開館。
こちらが、狭山池博物館入り口より展示室へと向かうスロープ。直ぐ真横に満面に水を湛えた「水庭」が広がります・・・実はこちらが博物館建物の3階にあたります。そして、1階に・・・向かうのですが・・・もう・・・カメラを向けながら・・・私の心の中は・・・感嘆符!感嘆符!感嘆符~~~~!!うわ~~~~っ!何~~~ここっ!
ため池博物館に・・・(すみません・・・そう思っていたもので・・・)驚きを通り越して、唖然としてしまう・・・
建物1階。段差を設けた広大な水庭の両側にエントランス3階の水庭からまるで滝のように・・・
水のカーテンというのが正しいのか・・・
そう・・・水のカーテンが流れ落ちているのです・・・続くのです・・・
いったい何十メートルあるんだろ・・・圧巻です。こんな光景・・・きっと・・・どこにも見られない!「水たまり好き?!」にはたまりません!笑
辺りに喧騒が(全くありませんが・・・)あれど・・・なにがあれども・・・そこにある音は・・・全てをかき消してしまうほどに・・・耳を劈くほどの水が流れ落ちる音のみ・・・
その豪雨の雨音とも受け取れる水音に不思議なほどに、こちらの心は静まりかえり・・・その止むことなく大地に打ち付けられる水音がいつの間にか五感(味覚はないですね・・笑)に響き、その場を離れたくなくなっていたのです・・・
こんな建築があったんだ・・・
この音・・・もしかすると・・・母体の中に入る赤ちゃんが母の鼓動を聞いている・・・心音に近いものかもしれないと・・・妙に心が落ち着いた・・・
そして・・・はっきりと思い出したのが、
ムーミン歯科で日々感じたあの感動・・・
??ですね・・・
かれこれ20数年前・・・大阪寝屋川にある「ムーミン歯科」に、子供達がお世話になっていた。先生の治療方針、予防歯科医学のあり方に共感を覚え、子供達を定期的に診察していただいていた。
そのムーミン歯科(当時は小児歯科専門)がある日・・・マンションの一室よりある建物に移転した。
当時、子供と日々向き合って、それはそれで愉しい日々だったけれど、子育てに疲れを感じていたことも事実あったと・・・それを鮮明な記憶として残していることの一つに・・・建築物に癒されたあの頃の記憶。
新しく移転したムーミン歯科の建物(後に安藤建築と知る)2階カウンセリング室前で、子供の診療を待ちながら・・・
あの空間に身をおける幸せを実感していた・・・
当時の私の生活環境には全く存在しない異空間。安藤作品とも知らなかったし・・・大きく大きくコンクリート壁より切り取られた窓から見える、建物を囲む二重になったコンクリート構造柱に囲まれたその「空」を見ることが出来ることにただただ感動していた。「間違いなくどこにもある空」なのに・・・苦笑
「その空」が・・・非日常の「空」に見えてくるのです。その景色に・・・とてつもない美しさを見ていたと思われるのです。
空にあれほどに感動できて、様々な疲れから開放され、元気が湧いてくるようなそんな気持ちにつながっていたのがその建築からだったと思われるのです。
あの時にも思った・・・こういう建築ができたのだ・・・と。
診療の予約日が楽しみで・・・付いていかなくても良かったのに小学生の息子について通っていた!笑
あの日々のあの感動と違わない・・・この27日の狭山池での感動・・・
安藤さん・・・ありがとうございます・・・
現実に戻ります。この博物館の存続に関しては橋下大阪府知事と・・・一戦(小さいか。。。大きいか・・・)あったようです。箱は確かに立派。資料も貴重・・・未来の存続のために地域がもっともっとPRして、街の財産を生かす方向に動かなければ、博物館といえども無駄なものとして葬られることが起きる可能性も否めない。
狭山池博物館。狭山池周辺。市民の手により植樹された桜が今年約1300本となるそうです。地域を護るのは国ではなく、地域の手なのですね。今春の桜も楽しみです。
二月の展示は「くらしの道具」展。
大正昭和ごろの農機具、暖房器具の変遷の展示に混じり・・・こんなものが。
文化施設を生かすのは間違いなく人です。作りっぱなしではどうにもなりませんね・・・
この日380人ほど、講演会に参加されておられました・・・その中、私に「読売新聞」の記者さんが・・・今日の講演のご感想はと・・・声かけ下さり・・・
(前回「ソロモン流」での、インタビューに怖気づいてしまったことを思い出し・・・笑)今回は!しゃべりすぎるほどにお答えして!大笑
翌日、河内版ですが・・・名前と住まい、年齢そして、うま~く短い文面(短っ)にまとめて頂いた小さな記事が載りました!安藤さんの記事にです!めっちゃ嬉しい!53歳にして新聞デビュ~~!!
写真なしで、ほんまの数行!笑
娘が・・・
おかあさん・・・こんな田舎に暮らしていても愉しいことがたくさん起きるね~~♪ですって!はい!その通り~~~!
愉しい事が一つでもあればね!元気につながるというものです!
私の「元気の元」!
今は、可愛いももちゃんに「心からの愛が溢れること」かな~~~♪
ほらね~~♪