虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

トゥモロー・ワールド(2006/アメリカ、イギリス )

2007年04月24日 | 映画感想た行
CHILDREN OF MEN
監督: アルフォンソ・キュアロン
出演: クライヴ・オーウェン    セオ・ファロン
   ジュリアン・ムーア   ジュリアン・テイラー
   マイケル・ケイン   ジャスパー・パルマー
   キウェテル・イジョフォー    ルーク
   チャーリー・ハナム   パトリック
   クレア=ホープ・アシティ   キー

 原因がわからないまま人間に子どもが生まれなくなって18年たった。世界には暴力と無秩序が際限なく拡がっていき、辛うじて英国だけが国境を封鎖し秩序を保っている。エネルギー省の官僚セオは、彼の元妻ジュリアン率いる反政府組織“FISH”に拉致される。ジュリアンの目的は、ある移民の少女を“ヒューマン・プロジェクト”という組織に引き渡すために必要な“通行証”を手に入れることだった。

 これ、原作読んでいます。かなり前に。ほとんど忘れてるのですが、混沌というより妙に静けさやひそやかな絶望感とか、じりじりとした破滅とか、そんな印象だけ記憶に残ってますが、確実ではありません。図書館で借りて読んで自分で買ってない、ということはそれほど買いたいとは思えなかった本みたい。(借りて読んだ本が気に入ったら自分で買いますよね?しません?)
 この映画は、この「破滅へと沈んでいく社会」の映像がかなりリアルなんですが、もっと始めのほうにインパクトあったら映画への入り込み方が違うかな、と。
 しかしながら、ラストの30分は完全に釘付けになって見てました。戦場シーンの長回しはさすが評判になるだけのものでした。それに細部まで神経が行き届いている感じで、画面のそこここにカオスを見せてくれます。
 赤ん坊が通るシーンでは不覚にも泣いてしまいましたが、奇跡でも救われない、破滅へひた走るのを止められないのもまた人間の真実なのでしょう。原題は"CHILDREN OF MEN"ですから、セオのサクリファイスはどこかで報いられるのかもしれない…


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